09 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

シネマの自由時間

伝えたい映画と音楽があります!

 

INFORMATION!




 ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ★ 

▶︎4月のNHK-BS「プレミアムシネマ」の映画カレンダーはここから見られます。


『ヒッチコック』 変態さんが行く!? 

こんばんは、ロッカリアです。

実は見る前から懸念していた事がある。
『ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女』と言うTV映画は、ティッピ・へドレンの一方的な視点から描かれていて、ヒッチ先生は色情魔以外の何者でもなかったからだ。
ヒッチ先生亡き後、こう言った悪意のある演出は、たとえ事実に基づいていても、卑怯だとしか思えない。
あれほどのセクハラを受けても、『マーニー』に続けて出演したティッピの行動は、映画ではどう描かれていようが、その性格に疑問を待つ僕の方がおかしいのか……。
ゴシップネタは、スキャンダラスなほど受けるものだと言うが……。
そんな事もあって、この作品の中のヒッチ先生も、『サイコ』のノーマン・ベイツよりもサイコに……と思っていたから、観終わった後、正直ホッとしたよ。

でも、この映画では、『サイコ』の完成にあっては、妻のアルマとヒッチ先生の共同作業なくしてあり得なかった、と言う構え。
そして、スポットライトは二人の夫婦関係を映し出す……。

でも、僕が一番面白いと感じたのは、『サイコ』の撮影秘話でも、夫婦の愛情物語でもない。
サスペンスの語源をご存知だろうか?
ズボンを吊り下げるサスペンダーに由来する。
ベルトはズボンを体にしっかりと固定するが、サスペンダーはズボンを吊り下げているため、言わば宙ぶらりんの状態で不安定になっている。
映画を見ている人に、この不安定な心理状態を与える、つまり、ハラハラドキドキさせるような作品を、サスペンス映画と呼ぶようになった。(はず……)
img184.jpg

で、何が一番面白かったかと言うと、サスペンスの神様と称されたヒッチ先生の心理状態こそ、映画が始まってからずーっと宙ぶらりんなのだ。
自宅を資金の抵当に入れ不安。
シャワーシーンは映倫が横やりを入れ、撮影できるか不安。
妻は不倫しているんじゃないかと不安。
完成した作品は会社幹部には不評で不安。
公開日、観客の反応が不安等々、数えだしたらキリがないのだ。
ひょっとして、これがサスペンスンの神様と称される所以かと思いたくなる。

また、ちょっと驚いたのが、この映画を見て、ヒッチ先生の映画を見てみようと思う人が意外に多かったこと。
『サイコ』は見ていないけど、今度見ようと思った。
『鳥』ってどんな映画?
ヒッチコック劇場って何?等々、若い世代の人を中心に、ヒッチコック作品を見ていない人、ホントに多い。
これは、僕らがガキの頃は、TVの洋画劇場で結構見たが、今はBSの有料チャンネルに申し込まないと、見る機会が無いのが原因かも知れない。
不便な時代である。

若い人には、ヒッチ先生の作品として、『レベッカ』と『逃走迷路』を入門編としておススメしておこう。
『レベッカ』はセルズニックと言うプロデューサーの影響下にあっても、尚も自身の特徴を示した非常に面白いサスペンスだし、『逃走迷路』は、ヒッチ先生得意のスパイ物で、1942年制作で、以後の作品を形成するエッセンシャルが全て詰まっている。
2作品ともモノクロだが、その技巧には、あっと驚かされるはずだ。

僕はヒッチ作品が好き。
言いたい事は山ほどあるけど、それはまたの機会に。
スポンサーサイト



Category: レビューがはじまる

Thread: DVDで見た映画

Janre: 映画

Tag: イラスト  サスペンス 
tb 0 : cm 0   

『コンドル』 サスペンスの名作! 


いよいよゴールデン・ウィーク突入ですね!皆さんはどんな映画を観られるんでしょうか!?
こんばんは、ロッカリアです。

さて、先日紹介した映画本、「さらば愛しきサスペンス映画」の中にも登場したこの映画、大好きな作品です。
CIAの下部組織に勤めるターナー(ロバート・レッドフォード)、コードネーム『コンドル』は、世界中の本、特にミステリーやサスペンスをの内容を分析して、CIAの情報や計画と類似していないかなどを上層部に報告するだけと言う、簡単な業務についていた。
遅刻してきたその日、雨が降り出し、ターナーはランチを済ませる為に、普段なら通らない裏口から路地を使い、事務所を後にする。
ランチを終えて帰って来ると、事務所にいた全員が殺されていて、自らの危険を察知したターナーはCIAに保護を求める。
だが、旧知の友人と待ち合わせた場所に、一緒に現れたワシントン支局の上司は、ターナーを見るなりいきなり発砲する。ターナーが反撃すると、傷を負った上司は友人を射殺するが、後にこの上司も入院先の病院で殺される……。
観客は何が何だか分からないまま、ターナーと行動を共にしなければならず、この辺りはサスペンス一色に包まれる。
発砲現場から逃げたターナーは、飛び込んだブティックでキャサリン(フェイ・ダナウェイ)を銃で脅し、彼女の自宅へ向かうが……。
img122.jpg

CIAの中にもう一つのCIAがあると言う仮説や、ターナーが分析してきたミステリー小説の中の手口を使って逃走し、真相を追うストーリーが抜群だ。
ニューヨークを走って逃げ惑うレッドフォードの姿は、翌年『大統領の陰謀』で共演したダスティン・ホフマンが主演した『マラソン・マン』に受け継がれているように考えると、なお楽しい。
また、「70年代アメリカ映画100」の中では、原作とラストや細部が変更されたのは、オイル・マネーと言う時代背景が反映していると指摘している。
孤独な心情が写真に出てしまうカメラウーマンを演じたフェイ・ダナウェイだが、レッドフォードがいくらハンサムでも、あそこまでの信頼と惜しみない協力には多少の疑問符を投げかけたい。
また、9.11で崩壊した世界貿易センタービルの中から、マンハッタンの街並みが見えるシーンは、今となっては貴重だし、感慨深いものがある……。

このブルーレイには特典映像が結構あって、その中でCIAと言う組織は、第二次世界大戦のキッカケとなった、日本軍による真珠湾攻撃が発端である、と言う話が、歴史が苦手な僕にはトリビアだった。
デイブ・グルーシンのサウンドトラックいがサスペンスと甘美なムードを盛り上げていて、何回見ても面白い映画に仕上がっている。
img123-2.jpg
この映画は1975年当時、名画座で頻繁にリバイバルされた。中でも、アラン・ドロンの『フリック・ストーリー』との併映が最強の組み合わせだったのだ。
この2作品は、ロードショー公開時、お正月映画として激突した。
そして、貧乏な僕は、当然どちらか、二者択一を求められたが、結局『フリック・ストーリー』を見に行った。
決め手は、お正月映画と言う事もあり、『コンドル』の方が、劇場が混んでいたからだ。
劇場が混んでる、混んどる、『コンドル』、バンザーイ!(…………)

良い休日を!!!

Category: 休日は名画座で

Thread: お気に入り映画

Janre: 映画

Tag: サスペンス  イラスト  おススメ  70’S 
tb 0 : cm 4   

【 さらば愛しきサスペンス映画 】と言う映画本 


こんばんは、ロッカリアです。

こちらはサスペンス映画を愛して止まない人、逢坂剛氏と川本三郎氏の対談形式で進んで行くが、冒頭で、「全ての映画はサスペンスである!」と宣言しちゃってるのだ。
ん~、身も蓋も無いじゃん…と思って読んで行くと、そこは分別のある大人でありプロが書いているので問題ない。
DVDの普及で、かなり埋もれていた作品が見られるようになったと言う事で、マニアック的な作品と言うよりも、モノクロ時代の作品が中心と言うところだ。
これは読んでいてその映画が見たくなる。
さらば愛しきサスペンス
で、この本を読み始めた途中で、ふとある事に気付いた事がある。
映画秘宝の単行本などで、ホームズ映画やモンスター、SFにホラー、犯罪映画、アクション映画等々のジャンル分けされたものが出版されているが、2000年以降、いや、1990年代以降、つまり近年のサスペンス映画やミステリーと言ったジャンル分けされたこの手の本の刊行が極端に少ないように思えた。
大体は、往年の名作を中心に組まれていて、この年代の紹介は付録みたいに取り扱われている場合が多い。
この本のタイトルが示すように、近年の映画にはサスペンスは確かに少なくなっているように思える。
特に僕みたいなオールドファンは昔の名作に助けを求めてしまいがちなのだ。
そこで若き映画大好き人間の人よ、近年におけるサスペンス映画の地位向上を目指して、面白いサスペンス映画をドンドン発見、発掘しようではないか!
そしてそれを、僕に教えてくれ!(←結局、他力本願じゃねかよ…)

Category: 迷宮図書室

Thread: 映画関連ネタ

Janre: 映画

Tag: 映画本  サスペンス 
tb 0 : cm 0   

『デジャヴ』 腹立つわ~、この映画! 

こんばんは、ロッカリアです。

時間の窓(タイム・ウィンドウ)とかタイムスリップやパラドックスの理論、概念なんて無茶苦茶で、少しも納得できない!
なのに一級のサスペンス映画に仕上がっていて面白い!それが腹立つ!
3回ぐらい見ただろうか、この映画。
今回はWOWOWで視聴しました。
いつも、4日と6時間前をリアルタイムで見れるタイムウィンドウの下りになると、ど~にも納得がいかないんだけど、いつも最後までハラハラドキドキしちゃうんだよね~。
でも、何故だろう!?
そこで今回はちょっとだけ考えてみた。

シネマチケットデジャヴ1御

とにかく、主演のデンゼル・ワシントンへの感情移入がしやすく、その世界観に没入できるのが良いんだと思う。
科学的な説明シーンでも、「もっと普通の言葉で話せ!」と最もな事を言うし、殺された女性、クレアの生前の姿に、きれいだな~と思っていると、デンゼル・ワシントンも恋していたり、何とか助けたいと言う感情が爆発して、自らタイムスリップを試みたりと、観客を引き込む、映画だからこその醍醐味が充分あるのだ。
つまり、面白い映画のすべてに共通する、作品の中で、その世界観で、見る者を遊ばせてくれるのだ。
ラストもいい。
ベタベタ感が無く、絶望の後に訪れる希望は、いつもなら興ざめしてしまうパラドックスが良い方に働いて、疑問より安堵感を生み出している。
傍観者の立場でしかなかった主人公が、気が付くと事件の渦中に飛び込んでいる。
映画と観客の関係そのままを表現しているからこそ、この映画は面白いのだ!

う~ん、今日も分かったような分からんような記事になってしまった……。
出来る事なら、ちょっと前に戻って、記事を書き直したいなぁ……。

Category: レビューがはじまる

Thread: 心に残る映画

Janre: 映画

Tag: 仮想チケット  おススメ  サスペンス 
tb 0 : cm 2   

『さらば友よ』 やっぱり変、この映画… 

さらば友よ
こんばんは、ロッカリアです。

外人部隊のアメリカ人(チャールズ・ブロンソン)とフランス軍の軍医(アラン・ドロン)の二人は、ひょんな事から広告会社の地下金庫に、持ち出した債券を、また戻して欲しい頼まれ、クリスマス・シーズンのタイミングで侵入し、ちゃっかりお金を奪い取ろうと目論む。
が、四苦八苦の末に開けた金庫の中は空っぽ、おまけにその金庫室に閉じ込められてしまい……。
二転三転しながら、誰もが知っているあの有名なラストに向かうのだが……。

名称未設定 3

皆さんもよくご存知で、ポスターやチラシに使われるシーン。
ドロンがマッチを擦り、ブロンソンの咥えたタバコに火を点ける。
お互い他人のふりをして……。
チョーカッコ良くて、男だったら誰でも憧れるシーンには間違いない。
だが、本当のラストシーンは全く違う、と言うのを憶えているだろうか?
このラストシーンのおかげで、僕は昔っからこの映画は変だなぁ、と思っている。
確かにこの映画はサスペンスフルで、2大スターの共演も楽しい見応えのある内容だが、始まってすぐに、まだブロンソンが登場していないのに、「イエ~!、イエ~ッ!」と声がする。
何じゃろ!?本編と何か関係があるのか?と見ていると、全く関係無しにブロンソンが登場する……。
で、そこからラストまでは実に凝ったストーリーで、セバスチャン・ジャプリゾの本領発揮と言う所なんだが、せっかく最後にカッコいいシーンの後に、何故かドロンが意味不明に叫んじゃうのだ。
で、下の落書きが問題のシーン。これが↓ホントのエンディングなのだ。
img107-2.jpg

百年の恋が、いっぺんに覚めてしまう、そんな感じのエンディングなのだ。
これさえなけりゃ……。
セバスチャン・ジャプリゾと言えば、彼が書いた脚本で、粋なゲームを取り入れている。
『天使は狼の匂い』ではタバコを一本づつ縦に立てて行くゲームを。
『雨の訪問者』では、クルミをガラス窓に投げて、割れてしまえば恋をしている証拠。
そして、この『さらば友よ』では、コップに水を目いっぱい入れた状態の所に、5枚のコインを入れられるかどうか?と言うゲームが良いアクセントになっている。
ただ、カットの積み重ねが丸わかりなので、緊張感を演出するのなら、ワン・カットで見せて欲しかったなぁ。
でも、やっぱりあの変なラストがある限り、何回見ても、やっぱり変なんだよなぁ、この映画。
「え?そうだったっけ?」と思った、特にオールドファンの人に再見して欲しいな。

それじゃぁ、この辺で。さらば友よ。

Category: 休日は名画座で

Thread: サスペンス・ミステリー

Janre: 映画

Tag: サスペンス  イラスト 
tb 0 : cm 3