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シネマの自由時間

伝えたい映画と音楽があります!

 

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▶︎4月のNHK-BS「プレミアムシネマ」の映画カレンダーはここから見られます。


『フランケンシュタインの花嫁』は、ミス・マープル!? 

今日は【レトロホラー】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
言わずと知れた、ユニバーサルが世界に衝撃を与えた『フランケンシュタイン』の正統な続編だ。
昔見た時も凄いと思ったが、今の目で見てもこいつは凄い!

余談だが、1960年生まれの僕は、かろうじて、その60年代以降の映画に触れる機会が多かったので、そこそこ知ったかぶりが出来る。
でも、それ以前の作品となると、有名作品はTVで見て知ってはいるものの、無知に近いと感じている。
だから最近、この60年以前の映画を意識して観るようになっている。
てっとり早く言えば、今のマイ・ブームってやつだ。
多少なりとも、勉強になると言えば大袈裟だが、観た映画について調べていると、結構色んな事が判明したり、色んな作品と繋がったりしていて、映画の素晴らしさ、映画の底力と言ったものを再認識させられる。
この映画など、まさにそうだった。


前作で死んだと思われた怪物は、地下道(或いは地下室?)のような所で生きていた。
一方、その怪物に殺されたフランケンシュタイン博士だったが、婚約者の元で息を吹き返す。
そこに、今回の主役とも言えるプレトリアスと名乗る博士が現れ、フランケンシュタイン博士に、怪物の花嫁を作る手伝いをさせようとする。
前作で言葉を話せなかった怪物は、盲目で孤独の老ヴァイオリニストと交流する事で、言葉を覚え、自我と言うものに目覚めて行くのだが……。
花嫁-3
ユーモアの中に恐怖を見出したり、徹底して作り出されたセット、計算されつくしたカメラ・ワークに、レンブラントの光と影を狙った照明、登場人物の心理状態を的確に表現した音楽など、これが1935年、今から77年前に作れらた作品である事自体が奇蹟だ。
一時、よちよち歩きのゾンビが、突然走り出すゾンビに変わった時に話題になったが、この大柄な怪物は、最初から足が速い。
逃げてもすぐに追いつかれ襲われる。(ホントにいたら、これは悪夢だよなぁ)
両手を前に突き出して、ゆっくり歩くブリキのおもちゃの印象が強い人は、きっと驚くだろう。(←驚いたんだ…)
しかも、タバコは吸う、酒は飲む、挙句の果てに、新しく誕生した花嫁を見て、欲情して襲いかかったりするのだ。(このシーンは爆笑だ)
その一方で、花嫁に命を吹き込むシーンや、実験塔が崩壊するシーンなど迫力満点で、「手に汗を握る」とはまさにこの事、見事だと絶賛したい。
怪物を演じたボリス・カーロフは前作ですでにスターの地位を確立したが、今回は花嫁を演じたエルザ・ランチェスターと言う女優に注目が集まった。
と言うのも、この映画の導入として、原作者のメアリー・シェリーが嵐の夜に、「実は、あの話には続きがあるの……」と言うシーンで本編に入るのだが、このメアリー・シェリーも、怪物を演じたエルザが二役をしている。
観客はそうとは知らず、その事実をかなり後に知る事になる。
何故なら、クレジットには「花嫁は誰?」(実際のクレジットにはThe Monster's Mate…?)となっていたからだ。
こんな遊び心が、実は作品を盛り上げたりするのだ。
日本なら「怪人二十面相は?」的な事だ。
しかもこの女優エルザは、後にビリー・ワイルダー監督の『情婦』に出演したり、オールド・ファンには懐かしいあの『ウィラード』にも出演している。
なかでも、僕が驚いたのは、このブログでも紹介した『名探偵登場』で、車椅子を押して登場した、あのミス・マープルこそが、このエルザ・ランチェスターその人だったのだ!(き、気付かなかった…)
ポッチャリ体型で、どことなく愛嬌があって面白い役だったが、実は今回の花嫁も、怖いと言うより、動きや驚き方が大袈裟で、かなりユーモラスなのだ。
この映画を見ずして、怪物映画を語るなかれ。
この映画は、正真正銘、滅多に見る事の出来ない、怪物映画の金字塔に違いない。

ま、僕の奥さんは、時たま怪物に見える時があるけど……。(し、知らんぞ!)
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Category: 休日は名画座で

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『ロボット大襲来』 だ、だ、だ、大襲来? 

今日は【レトロSF映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
1954年製のレトロSF。最近、この辺のカルト化しているSFにハマっています。

睡眠薬で自殺を図った女、バージニア・グレーは死にきれず、ベッドから起き上がったのは昼を過ぎていた。
アパートの窓から外を何気に見ると、様子がおかしい。
あわてて外に出てみるが、誰もいない。
大都市ロサンゼルスがゴーストタウンと化していた。
辺りを探していると、一人の男と出会うが、やはり、この街で一体何が起こったのか知らないと言う。
二人で街中を探していると、一件のバーからピアノの音が聞こえて来る。
中に入ってみると、酔いつぶれて、目が覚めた時は誰もいなかったと言うカップルが一組。
事情が分からないまま、4人が街を歩いていると、ビルの壁に巨大な何かの影が……。
身の危険を感じた4人はホテルへ逃げ込む。
そのロビーで見つけた朝刊には「未知の侵略者が地球に……」との見出しが。
そして、4人が足音に気付いて、ロビーの窓から外を見ると、一体のロボットが歩いていいるではないか!
きゃ~っ!

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最初にこのロボットを見た時、子供が段ボール箱をかぶって遊んでいるのかと思った(マジで…)。
しかも、軍が確保したロボット(道端に倒れていたところを回収したと言う…。ぷ~っ!)を数に入れても、全編に出てくるロボットは2体だけ。
『大襲来』とは看板に偽りあり、だ。(原題はターゲット・アース。こっちの方がいいか…?)
このロボットは一つ目の所から殺人光線を出すハイテク・ロボットなのに、後ろからちょこんと押せば絶対倒れる!
そして構造上、二度と立ち上がれないはずだ。(保障する!)
軍の研究所で、真剣にロボットの弱点を探しているが、後ろから押すんだよ、と伝えたい。
階段を上がる時、右足を一段目、その同じ段に左足、二段目に右足、同じ段に左足、の繰り返し。
幼稚園児でももっとしっかり歩くぞ。
見ているこっちがハラハラドキドキ、こんなにロボットに感情移入したのは『ロボコップ』以来だ。
ドラマ部分はしっかりしているので、余計ロボットが登場すると笑いをそそる。
少しネタバレ気味で言うと、ある周波数に弱点を見つけたりする所は『マーズ・アタック!』の元ネタを連想させるし、昔のヒーロー、『快傑ズバット』そっくりなシーンがあったりする。
この辺のSF映画は、ハマり出したら制御が効かないんだよなぁ、このロボットみたいに……。




Category: レビューがはじまる

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【第三の男】 シネマ・サーフィン~12~ 

今日は【世紀の傑作映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
個人的な事で申し訳ありませんが、今日で51歳になりました……。(←それが何だ!)
こほん。
まず最初に、これはミステリーなのか?と言う疑問に、じゃあサスペンス?フィルム・ノアール?サスペンス?ラブ・ストーリー?と自問自答してみた。
これらの要素を全て含んだミステリーだと言えるんじゃないだろうか。

第二次世界大戦後に、旧友のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)から、仕事を紹介するからウィーンに来いと言われるホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)。
だが、到着してすぐにハリーの家を訪ねると、彼は交通事故で死んだと知らされ、その足で葬儀場へ向かう。
ハリーはすでに土の中へ埋められるところで、そこにいたハリーの彼女、アンナ(アリダ・ヴァリ)はまだ死んだ事が信じられない様子で、すぐに立ち去る。
そこで知り合ったキャロウェイ少佐から、ハリーは闇取引の悪人だと聞かされ、作家の性分なのか、ハリーの事を調査し始めるが……。

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事故当時、倒れたハリーを介護した人間が、当初二人だと言われていたのだが、ハリーの家の管理人(門衛)の証言から、そこに第三の男の存在が判明する。
だが、この証言をした管理人が何者かに殺されると、その容疑がホリーにかけられる。
逃げるように、アンナの家に転がり込んだホリーだったが、アンナからはハリーと呼ばれ気分が悪い。
おまけに、アンナの買っているネコは、ハリーにしかなつかないと言う。
そのネコを横目で見ていたが、ネコが部屋を出て行くと、暗闇の中にじっとしている男の足元で、楽しそうにじゃれていた……。

ヒッチコックの影響を多分に受け、それを手本とした映像設計だが、ヒッチ先生の徹底した作り込みの美学に対して、キャロル・リード監督は、都会的で洗練された映像で魅了する。
特に、音楽に関して言えば、ヒッチ先生は人間の心理描写、場面効果を狙ったのに対して、リード監督は、主人公たちの感情を表す事に徹底した。
この効果は絶大で、今やビールのCMでお馴染みのあのテーマ、今や絶滅危惧種のチターという多弦楽器が奏でるメロディーは統一感がありながら、場面場面で違う印象、最初と最後ではその響きの意味が全く違うように感じると言う、全く見事としか言いようがない。

戦後直後のウィーンの街並み、遊園地の観覧車、ホテルや古い建物の空気感、それらが全てミステリーの舞台装置であり、その集大成が迷路のように張り巡らされた下水道でのチェイス。
ここ一番で見せる光と影の魔法のような演出。
作家のグレアム・グリーンが書き下ろした原作と脚本。
これらが見事に融合して、あのラスト・シーンへと繋がって行くこの作品は、映画史上に燦然と輝く傑作だと明言した。
この映画を見ずに、映画を語る人は、まだ本当に凄い映画と言うものを知らないと思った方がいい。
撮影と演出だけ、他の小細工は一切存在しないこの名画を、特に若い映画好きな人に贈りたい。

これが、映画。

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シネマ・サーフィン ~7~ 

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ufo_7.gif ~第7夜 【宇宙水爆戦】~
今日は【レトロSF映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
このブログはお休み中ですか~。
いいえ、やってますよ~!
と言う事でお久しぶりの更新です、はい。
さて、実はこの映画もDVD化されていなかったんですが、この度DVDになる事になりました。
そこで、以前NHKハイビジョンで録画していたものを再見しました。(なんだ、映画は見てるんだね)

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今回はヘタクソな落書きを描く暇が無かったので、ポスターを鑑賞して下さい。

原子力の平和利用を目指していた電 子工学者のカル博士(レックス・リーズン)は、遊星メタルーナの戦争の為に、原子力を作り出せと、母星へ誘拐される。
だが、メタルーナ星は交戦国の激しい攻撃を受けて……。
ストーリーも面白いが、何と言ってもセミのような形態をしたメタルーナ・ミュータントと言う怪物が怖い!
当時、初めてこの映画見た観客はさぞかし驚いたんじゃないだろうか。
レトロSFとは言え、この映画を見逃す手はない。
SFホラーの先駆け的作品とも言える名作です。

右上のプラグインにおススメできるDVD(&ブルーレイ)をリストアップする事にしました。
へ~、こんな映画が出てるんだ、とか、面白そうだな、と思ったらクリックでその映画の情報を見る事が出来ます。
僕なりの視点から、少し変わった映画を紹介して行きますから、興味が湧いたら一度覗いてみて下さいね。
アフィリエイトの形態を取っていますが、それでで稼ごうなんて、夢にも思ってませんから、クリックしても大丈夫ですよ。

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シネマ・サーフィン ~4~ 

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ufo_7.gif ~第4夜 【ウエストワールド】~
今日は【傑作レトロSF映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
誰もが知ってる(?)マイケル・クライトン原作&監督の傑作です。
何と言っても、デロスランドと言う、ロボットによって完璧に作られたレジャーランドの西部の町で、コンピューターの命令に逆らってロボットたちが反乱、遊びに来た人間を次から次に殺して行くと言う設定がいけてる。
しかも、命令に反して人間を襲うロボットが、『荒野の七人』のユル・ブリンナーで、しかも『荒野~』の時の衣装そのまんまで登場するのだから、オールド・ファンにはたまったもんじゃない。
公開当時(1973年)もかなり話題になった。
そりゃそうだろう、今ならターミネーターの格好をしたシュワちゃんが『スーパー8』に出てくるようなもんだ!(例えがよう分からん…)

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西部の町が主な舞台だが、所々強いSF感を感じる。
それは、その町に地下に広がった清潔感のある施設だったり、この時代(『地球爆破作戦』の時も言ったけど)にコンピューター・ウィルスの原型があったりと、クライトンが脚本も担当しているので抜かりが無い。
しかも、このポスターを見て欲しい。
何と言う、SFマインド溢れるビジュアルではないか。

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また、この映画には続編も作られた。
『未来世界』と言うタイトルで、主演にピーター・フォンダを迎えて制作したが、ロボットは娯楽用としてではなくて、政治的要人の身代わり用として製作され、世界征服の拠点となるのがフューチャー・ワールドだ。
これはDVD化されていないので、見る機会も少ないだろうが、僕が持ってるLDを再見するかぎりは、『ウエストワールド』の足元にも及ばない作品だ。(ちなみに、ユル・ブリンナーもまたまた出演している!)

この時代からの視点で言うと、確かにVFXなどは未熟だが、映画はそれだけじゃ無い、と言う見本のような映画。
未見の人がいれば、おススメです。



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