『推理作家ポー:最期の5日間』 条件付きだが面白い!

こんばんは、ロッカリアです。
とにかく夜中でも無性に映画が見たくなる時ってありますよね。たとえ明日が仕事だとしても、絶対見たくなる、いや、むしろ見ないと眠れない……。
それぐらい気になる映画をご紹介していきます。夜中でも大音響再生すためのサラウンドヘッドフォン、それと、サイフォンで入れた熱いコーヒーを相棒にね……。

だがその反面、ポーを知らない人にとっては、よくあるただのミステリー映画、で終わっているんじゃないだろうか。それがどんなにもったいない事だろうか……。
この映画は基本コピー・キャットの犯行だ。事件自体は「モルグ街の殺人」で幕を開ける。そして、約2時間の作品の中に「告げ口心臓」「黒猫」「赤死病の仮面」「メルシュトレエムに呑まれて」「マリー・ロジェの謎」「早すぎた埋葬」「エレオノーラ」「落とし穴と振り子」「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」「アモンティラードの酒樽」「アナベル・リー」、そして原題にもなっている、陰鬱で狂気に満ち、ポーの姿を映し出している詩、『大鴉』をモチーフに、見事にポーの世界観を表している。
また、現在のボルチモアには当時(1849年頃)の建物がすでに存在シナクナッテいて、ロケ地を東欧に移したのも、彼の作品にふさわしい雰囲気を醸し出しているのもいい。
また、拉致されたポーの恋人エミリーの居場所を早く見つけないと命が無い、と言うタイムリミット・タイプのサスペンスが加味されていて、犯人探しと合わせ、スリラー映画のムードをワンランク上げている。
ポーの作品を読んでいない人も楽しめた、と言う記事を目にするが、ポオ(←僕的にはいつもこう表記したい!)マニア、あるいは彼の作品を垣間見てしまった一の方が数倍面白い作品に目る事は間違いない。
ある意味、これは常に言っているように、見る人を選ぶ映画の一本と言えるんじゃないでしょうか。
今でも語り継がれる映画『怪奇と幻想の世界』を知っている世代、或いは見て面白かった人、ポオの作品をせっせと映画化したハマー・プロの作品が好きな人には、見る事をおススメしておきましょう。

映画の最後、ポオが言った「レイノルズ」とは、実際に彼が絶命する寸前に言った、最後の言葉である事を付け加えておきたい。
本音を言えば、1000ページぐらいの単行本で読んでみたかったなぁ……。
先にも言ったけど、時に映画は観る者を選ぶ。
ポーとしてないで、ちゃんと映画に集中しましょう。

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