『天河伝説殺人事件』ムードだけは満点だ
こんばんは、ロッカリアです。

「天河伝説」とは、奈良県天川村の神社で行われる薪能の夜に、結ばれた男女は幸せにはならないと言うもの。
この伝説が本作の根底にあって、犯行の動機にもなっているが、伝説と言うには弱い気がします。
ここに、少しでも呪いの要素などが加わっていれば、もっとオドロオドロしい伝説になっていたはずだと思います。
また、ミステリー映画としては、致命的なミスを犯している。
それは、「金田一耕助」シリーズに慣れ親しんだ映画ファンなら、配役を見ただけで、犯人の見当が付くし人もいるでしょう。
トリックと言うほどの舞台装置がないのは「浅見光彦」シリーズなので仕方がないが、作品の作りが「金田一」シリーズにそっくりなので、これも物足りなく感じてしまう。
犯行の動機も、中盤あたりでおおよその見当がついてしまう。
それでなくとも市川崑監督は、自身のスタイルを変えないので、どうしても「金田一」シリーズの焼き直しをやっているようにしか見えない。
さらに、惜しくも先頃亡くなられた名俳優の加藤武氏の刑事さん、前半では我慢していたのに、後半でついに「よし、わかった!」と、おなじみのポーズを披露してしまう。
笑いを取るオマージュ的な発想だったかも知れないが、そのまんま、だった。
この作品を中盤あたりまで見て、ある程度の真相が分からなかった人は、もっとミステリー映画を見たり、探偵小説を読んだ方がいいと、偉そうに言っておこう。(←お前、何度もこの映画見てるだろうが…)
「……」
さて、だからと言ってこの映画を見るなと言っているんじゃありません。
映画には色んな見方があって、この作品も、冒頭では衆人環境の新宿での殺人で始まり、あまり知らない「能」という世界を引き合いに出し、タイトルの天川村(神社は天河と書く)を中心に物語が進む、ミステリー映画としてのムードは満点なのだ。
ちなみに、あまり知られていないが、実はこの映画に続編が作られていた、と言う事をご存知だろうか?
『高千穂伝説殺人事件』というタイトルで、予告編まで劇場公開されたのだが、当時、角川春樹の薬物問題でお蔵入りになってしまったのだ。
私はその予告編を実際に見た事がないので、今となっては「都市伝説」なのですが……。
1.伝説にインパクトがない
2.犯人、動機、トリックがバレバレ
3「金田一耕助」シリーズの焼き直し

「天河伝説」とは、奈良県天川村の神社で行われる薪能の夜に、結ばれた男女は幸せにはならないと言うもの。
この伝説が本作の根底にあって、犯行の動機にもなっているが、伝説と言うには弱い気がします。
ここに、少しでも呪いの要素などが加わっていれば、もっとオドロオドロしい伝説になっていたはずだと思います。
また、ミステリー映画としては、致命的なミスを犯している。
それは、「金田一耕助」シリーズに慣れ親しんだ映画ファンなら、配役を見ただけで、犯人の見当が付くし人もいるでしょう。
トリックと言うほどの舞台装置がないのは「浅見光彦」シリーズなので仕方がないが、作品の作りが「金田一」シリーズにそっくりなので、これも物足りなく感じてしまう。
犯行の動機も、中盤あたりでおおよその見当がついてしまう。
それでなくとも市川崑監督は、自身のスタイルを変えないので、どうしても「金田一」シリーズの焼き直しをやっているようにしか見えない。
さらに、惜しくも先頃亡くなられた名俳優の加藤武氏の刑事さん、前半では我慢していたのに、後半でついに「よし、わかった!」と、おなじみのポーズを披露してしまう。
笑いを取るオマージュ的な発想だったかも知れないが、そのまんま、だった。
この作品を中盤あたりまで見て、ある程度の真相が分からなかった人は、もっとミステリー映画を見たり、探偵小説を読んだ方がいいと、偉そうに言っておこう。(←お前、何度もこの映画見てるだろうが…)
「……」
さて、だからと言ってこの映画を見るなと言っているんじゃありません。
映画には色んな見方があって、この作品も、冒頭では衆人環境の新宿での殺人で始まり、あまり知らない「能」という世界を引き合いに出し、タイトルの天川村(神社は天河と書く)を中心に物語が進む、ミステリー映画としてのムードは満点なのだ。
ちなみに、あまり知られていないが、実はこの映画に続編が作られていた、と言う事をご存知だろうか?
『高千穂伝説殺人事件』というタイトルで、予告編まで劇場公開されたのだが、当時、角川春樹の薬物問題でお蔵入りになってしまったのだ。
私はその予告編を実際に見た事がないので、今となっては「都市伝説」なのですが……。
『妻は二度殺される』これはうまいっ!
こんばんは、ロッカリアです。
コリアン・ムービーは、あんまり見ない方ですが、時折とんでもなく面白い映画が見られるので楽しめます。
前フリはニュースで流れる太陽フレアだ。この影響で電波障害が発生することを冒頭で告知している。
時は2014年、弁護士のドンホは飲んで帰宅すると、妻のヨンスが殺されていた。
犯人も動機も分からないまま、2015年の現代にシフトする。
娘のギョンリムと二人で暮らしていたドンホだったが、弁護士事務所を退社する日に、突然死んだはずの妻ヨンスから携帯に電話がかかってくる。
半信半疑だったドンホだったが、その会話が1年前、妻が殺された日の会話だと気付き、身に危険が迫っていると伝えるが、ヨンスは相手にしなかった。
日が暮れて、その時が近づくと、ヨンスは何かしら不安な気持ちになる。
夫のドンホ(2015年の)に電話で話している時、殺人犯は家のインターフォンに姿を現した……。

ヨンスは機転を利かして家の外に逃げ、警察に助けを求め、九死に一生を得るが、この時点から、2014年と2015年が交差して、ドンホは事件の渦中に巻き込まれて行く。
うまいっ!
見終わった時の感想はこの一言だった。
本格的なタイムスリップ、つまり人間自体は時空を超えないが、携帯の電波だけが太陽フレアが原因で時を超えて行く。
しかも、2014年に変化が生じると、すぐに2015年に反映されるので、つながり感は半端じゃない。
その結果、ドンホは妻殺しの犯人にされ、警察に追いかけられるは、真犯人から追いかけられるは、自分の命や、娘までも命を狙われて……。
その先は見てのお楽しみと言うことで。
家族の絆が、物語の進行につれてドンドン深くなっていくと、それに歩調を合わせて緊張感が高まって来るのもいい。
ただ、手紙と携帯の違いはあるものの、時空を超えてやり取りするというアイデアは、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが共演した『イルマーレ』(元は韓国映画)で、それにキム・ベイシンガーが電話を頼りに、誘拐された場所を知らせるという映画、『セルラー』を足したような感じだ。
合わせ技一本という印象だけど、ハラハラ・ドキドキする映画には間違いなく、これからの暑い夏にはピッタリの映画だ。
WOWOWでのプレミアム・オンエアだったので、まだレンタルもされていないのが残念、ネットでも総じて評価は高いので、ソフト化されるかも知れませんね。
ちなみに本国の韓国では興行成績1位だったそうです。
さいごに、ラストのワンカットは余計だと思ってます。
このワンカットのおかげで、ホラー感が出て、後味が悪くなっている。
それも狙いの一つなんだろうが、個人的には無意味なカットだと思う。
でも、よく考えてみれば、死んだはずの奥さんから電話がかかってきたら、ちょとどころか、かなり怖い。
もし、自分の携帯に奥さんから掛かって来たら……、死んでなくても普通に怖いっ!
余計なお世話。(謎を解くヒントの話です)
ファーストカットに、事件を解くヒントがあるので、最初から注意深く見ましょう。
よほど集中していないと見過ごします。
コリアン・ムービーは、あんまり見ない方ですが、時折とんでもなく面白い映画が見られるので楽しめます。
1.タイムパラドックスをうまく料理している
2.SFを感じさせないほどのサスペンス
3.基本は『イルマーレ』+『セルラー』
前フリはニュースで流れる太陽フレアだ。この影響で電波障害が発生することを冒頭で告知している。
時は2014年、弁護士のドンホは飲んで帰宅すると、妻のヨンスが殺されていた。
犯人も動機も分からないまま、2015年の現代にシフトする。
娘のギョンリムと二人で暮らしていたドンホだったが、弁護士事務所を退社する日に、突然死んだはずの妻ヨンスから携帯に電話がかかってくる。
半信半疑だったドンホだったが、その会話が1年前、妻が殺された日の会話だと気付き、身に危険が迫っていると伝えるが、ヨンスは相手にしなかった。
日が暮れて、その時が近づくと、ヨンスは何かしら不安な気持ちになる。
夫のドンホ(2015年の)に電話で話している時、殺人犯は家のインターフォンに姿を現した……。

ヨンスは機転を利かして家の外に逃げ、警察に助けを求め、九死に一生を得るが、この時点から、2014年と2015年が交差して、ドンホは事件の渦中に巻き込まれて行く。
うまいっ!
見終わった時の感想はこの一言だった。
本格的なタイムスリップ、つまり人間自体は時空を超えないが、携帯の電波だけが太陽フレアが原因で時を超えて行く。
しかも、2014年に変化が生じると、すぐに2015年に反映されるので、つながり感は半端じゃない。
その結果、ドンホは妻殺しの犯人にされ、警察に追いかけられるは、真犯人から追いかけられるは、自分の命や、娘までも命を狙われて……。
その先は見てのお楽しみと言うことで。
家族の絆が、物語の進行につれてドンドン深くなっていくと、それに歩調を合わせて緊張感が高まって来るのもいい。
ただ、手紙と携帯の違いはあるものの、時空を超えてやり取りするというアイデアは、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが共演した『イルマーレ』(元は韓国映画)で、それにキム・ベイシンガーが電話を頼りに、誘拐された場所を知らせるという映画、『セルラー』を足したような感じだ。
合わせ技一本という印象だけど、ハラハラ・ドキドキする映画には間違いなく、これからの暑い夏にはピッタリの映画だ。
WOWOWでのプレミアム・オンエアだったので、まだレンタルもされていないのが残念、ネットでも総じて評価は高いので、ソフト化されるかも知れませんね。
ちなみに本国の韓国では興行成績1位だったそうです。
さいごに、ラストのワンカットは余計だと思ってます。
このワンカットのおかげで、ホラー感が出て、後味が悪くなっている。
それも狙いの一つなんだろうが、個人的には無意味なカットだと思う。
でも、よく考えてみれば、死んだはずの奥さんから電話がかかってきたら、ちょとどころか、かなり怖い。
もし、自分の携帯に奥さんから掛かって来たら……、死んでなくても普通に怖いっ!
余計なお世話。(謎を解くヒントの話です)
ファーストカットに、事件を解くヒントがあるので、最初から注意深く見ましょう。
よほど集中していないと見過ごします。
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『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネイション』は娯楽超大作と言う言葉がピッタリ!
こんばんは、ロッカリアです。
今から30年以上前は、お金をかけた作品や、有名なスターが出演している作品、スケールの大きな作品を称してこう呼んでいました。
「娯楽超大作」と。
コマーシャルや映画雑誌に「この作品は娯楽超大作です」なんて文字を見つけると、見る前からワクワクしたものです。(もちろん期待はずれの作品もありました)
この『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネイション』は、いい意味で、娯楽超大作でした。

子供の頃に「鬼ごっこ」で、逃げたり追いかけたり。
あれってものすごくハラハラドキドキしましたよね。
あと「カン蹴り」も、鬼の目を盗んで、なんとか缶を蹴飛ばしてやろうと必死になりました。
スパイ映画って、この遊びを代わりにして見せてくれたのが本作。
「鬼ごっこ」はBMWやオートバイで女スパイを追いかけたり、ロンドンの街を、今度はその女スパイと逃げたりするシーンに象徴され、「カン蹴り」は、敵に見つからないように、水中金庫に侵入するシーンだ。
カーチェイスはハラハラ・ドキドキしたし、水中シーンは息苦しくなるような緊張感、この感覚が最初から最後まで維持するからたまりません。
さらに、アクションにストーリー性があるので、見ている方も無条件に夢中になれます。
さらにさらに、そのスタントをトム・クルーズ自身がやっている、と言う事を知った上で見ているので、オートバイでのチェイス・シーンなんて、気が付けば息するのを忘れてました。
この映画の最大の魅力は、謎の女スパイを演じるレベッカ・ファーガソンにあるといえば、それはちょっと言い過ぎ、だと怒られるでしょうか。
ま、これは個人的な意見なので、少し大目に見てください。
今まで、ミッシェル・モナハンが好きなこともあって、シリーズでは『Ⅲ』がお気に入りでしたが、このレベッカも、久しぶりに魅力ある女優さんに出会った感じがします。
敵か味方か?という使い古されたキャラクターに、新しい個性を植え付けたのは、このレベッカによるところが大きい。
水着シーンを見てもわかるように、腰回りもガッチリしていて、モデル体系の女優とは一線を画し、習い事にしか見えない女優たちのアクションを、一蹴して見せる。
また、イーサンには同志という感情と、男としてのイーサンに惹かれる女性の感情が揺らいでいるのもいい。
女優としてのキャリアは浅いが、これから活躍に超期待します、個人的に!
一番好きなシーンは、「オペラ座の夜」の暗殺シーン。
光と影、静と動がレベッカの魅力を一層引き立てていました。
なので、今回はシャーペンだけで描いた落書きもアップしちゃいます。
(シャーペン画はいいよね、ゴマカシが効くからね↓)



ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション [Blu-ray]
今から30年以上前は、お金をかけた作品や、有名なスターが出演している作品、スケールの大きな作品を称してこう呼んでいました。
「娯楽超大作」と。
コマーシャルや映画雑誌に「この作品は娯楽超大作です」なんて文字を見つけると、見る前からワクワクしたものです。(もちろん期待はずれの作品もありました)
この『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネイション』は、いい意味で、娯楽超大作でした。
1.スパイ映画は「鬼ごっこ+カン蹴り」の構図
2.アクションに説得力がある
3.敵か味方か「謎の女スパイ」がいい!

子供の頃に「鬼ごっこ」で、逃げたり追いかけたり。
あれってものすごくハラハラドキドキしましたよね。
あと「カン蹴り」も、鬼の目を盗んで、なんとか缶を蹴飛ばしてやろうと必死になりました。
スパイ映画って、この遊びを代わりにして見せてくれたのが本作。
「鬼ごっこ」はBMWやオートバイで女スパイを追いかけたり、ロンドンの街を、今度はその女スパイと逃げたりするシーンに象徴され、「カン蹴り」は、敵に見つからないように、水中金庫に侵入するシーンだ。
カーチェイスはハラハラ・ドキドキしたし、水中シーンは息苦しくなるような緊張感、この感覚が最初から最後まで維持するからたまりません。
さらに、アクションにストーリー性があるので、見ている方も無条件に夢中になれます。
さらにさらに、そのスタントをトム・クルーズ自身がやっている、と言う事を知った上で見ているので、オートバイでのチェイス・シーンなんて、気が付けば息するのを忘れてました。
この映画の最大の魅力は、謎の女スパイを演じるレベッカ・ファーガソンにあるといえば、それはちょっと言い過ぎ、だと怒られるでしょうか。
ま、これは個人的な意見なので、少し大目に見てください。
今まで、ミッシェル・モナハンが好きなこともあって、シリーズでは『Ⅲ』がお気に入りでしたが、このレベッカも、久しぶりに魅力ある女優さんに出会った感じがします。
敵か味方か?という使い古されたキャラクターに、新しい個性を植え付けたのは、このレベッカによるところが大きい。
水着シーンを見てもわかるように、腰回りもガッチリしていて、モデル体系の女優とは一線を画し、習い事にしか見えない女優たちのアクションを、一蹴して見せる。
また、イーサンには同志という感情と、男としてのイーサンに惹かれる女性の感情が揺らいでいるのもいい。
女優としてのキャリアは浅いが、これから活躍に超期待します、個人的に!
一番好きなシーンは、「オペラ座の夜」の暗殺シーン。
光と影、静と動がレベッカの魅力を一層引き立てていました。
なので、今回はシャーペンだけで描いた落書きもアップしちゃいます。
(シャーペン画はいいよね、ゴマカシが効くからね↓)

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『ブラニガン』アクション・スターの終活
こんばんは、ロッカリアです。
ブログのヘッダー画像を夏ヴァージョンにしてみました。
ちょっとでも涼しくなりますように!(笑)

公開当時、ドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『マンハッタン無宿』の焼き直しと揶揄されました。
『マンハッタン無宿』は、アリゾナの保安官が、ニューヨークに容疑者を引き取りに行くという設定で、田舎者が大都会でカルチャー・ショックを体験しながら、再び逃走した容疑者を追うと言う物語でした。
確かにストーリーはこれとほぼ一緒ですが、ブラニガンは自らをヤンキーと宣言し、自己流で犯人を捕まえようとする姿は、まさにジョン・ウェインの威風堂々の映画なのだ。
ロンドンで逮捕されたラーキンだったが、保釈中に何者かに誘拐され、ラーキンの弁護士、フィールズに身代金の要求が。
それを知ったブラニガンは、女刑事ジェニファーと共にラーキンの行方を追うが、ラーキンの雇った殺し屋のゴードンに命を狙われ、幾度となく危険な目に合う。
どこか怪しい弁護士フィールズ、派手なスポーツカーに乗る殺し屋ゴードン、ロンドン気質の警視長スワン(リチャード・アッテンボロー)、フィアンセがいながらも、ブラにガンに惹かれるジェニファー、そして異国の地で犯人を追うアメリカの警部補ブラニガンと、舞台装置は揃っているのに、所どころ間抜けなシーンが結構あって物語に集中できない。
殺し屋ゴードンも、『ピンクパンサー』シリーズに登場する、クルーゾー警部を襲うケイトー(加藤)に見えてくる。
カーチェイスや銃撃戦も、アメリカならもっと派手に演出できたはずで、消化不足気味だ。
ラーキンの身代金を渡し、犯人を追跡してロンドンの街中を駆け巡るシーンがハイライトだろうが、ハラハラ・ドキドキといったサスペンス色もない。
だが、ジョン・ウェインとリチャード・アッテンボローの演技合戦は楽しめた。
いい加減なアメリカ・ヤンキー気質と、貴族出身のロンドン気質の二人は、身長差も手伝って凸凹コンビのように見えて楽しい。
リチャード・アッテンボローはこれ以降、『遠すぎた橋』『ガンジー』『コーラスライン』を監督として世に送り出し成功するが、ジョン・ウェインは、最後の作品『ラスト・シューティスト』の役柄と重なるように、ガンで72歳の生涯を閉じる。
彼の作品を見るたびに、僕は心から敬意を表したくなる。
何故なら、彼なくして、イーストウッドやマックィーンといった、アメリカを背負ったアクション・スターは生まれなかっただろうから。
生涯アクション・スターを誇りにしていたジョン・ウェイン。
彼こそ「アメリカの良心そのもの」だと思っている。
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ちょっとでも涼しくなりますように!(笑)
1.『マンハッタン無宿』のロンドン版
2.舞台を大西部から大都会に
3.英米二大スターの共演が楽しい

公開当時、ドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『マンハッタン無宿』の焼き直しと揶揄されました。
『マンハッタン無宿』は、アリゾナの保安官が、ニューヨークに容疑者を引き取りに行くという設定で、田舎者が大都会でカルチャー・ショックを体験しながら、再び逃走した容疑者を追うと言う物語でした。
確かにストーリーはこれとほぼ一緒ですが、ブラニガンは自らをヤンキーと宣言し、自己流で犯人を捕まえようとする姿は、まさにジョン・ウェインの威風堂々の映画なのだ。
ロンドンで逮捕されたラーキンだったが、保釈中に何者かに誘拐され、ラーキンの弁護士、フィールズに身代金の要求が。
それを知ったブラニガンは、女刑事ジェニファーと共にラーキンの行方を追うが、ラーキンの雇った殺し屋のゴードンに命を狙われ、幾度となく危険な目に合う。
どこか怪しい弁護士フィールズ、派手なスポーツカーに乗る殺し屋ゴードン、ロンドン気質の警視長スワン(リチャード・アッテンボロー)、フィアンセがいながらも、ブラにガンに惹かれるジェニファー、そして異国の地で犯人を追うアメリカの警部補ブラニガンと、舞台装置は揃っているのに、所どころ間抜けなシーンが結構あって物語に集中できない。
殺し屋ゴードンも、『ピンクパンサー』シリーズに登場する、クルーゾー警部を襲うケイトー(加藤)に見えてくる。
カーチェイスや銃撃戦も、アメリカならもっと派手に演出できたはずで、消化不足気味だ。
ラーキンの身代金を渡し、犯人を追跡してロンドンの街中を駆け巡るシーンがハイライトだろうが、ハラハラ・ドキドキといったサスペンス色もない。
だが、ジョン・ウェインとリチャード・アッテンボローの演技合戦は楽しめた。
いい加減なアメリカ・ヤンキー気質と、貴族出身のロンドン気質の二人は、身長差も手伝って凸凹コンビのように見えて楽しい。
リチャード・アッテンボローはこれ以降、『遠すぎた橋』『ガンジー』『コーラスライン』を監督として世に送り出し成功するが、ジョン・ウェインは、最後の作品『ラスト・シューティスト』の役柄と重なるように、ガンで72歳の生涯を閉じる。
彼の作品を見るたびに、僕は心から敬意を表したくなる。
何故なら、彼なくして、イーストウッドやマックィーンといった、アメリカを背負ったアクション・スターは生まれなかっただろうから。
生涯アクション・スターを誇りにしていたジョン・ウェイン。
彼こそ「アメリカの良心そのもの」だと思っている。
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『靴職人と魔法のミシン』これってファンタジーだろ?
こんばんは、ロッカリアです。

1.ファンタジーとマフィアは水と油だろ
代々秘密に受け継がれてきた古い機械式のミシン。
そいつで靴の修理をして、試しに履いてみると、持ち主の姿に変身してしまう……と言うのはファンタジーだと思うから許せる。
ところが訳あって靴職人のベンは、立ち退きを迫られたアパートの老人に力を貸すことになり、色々な靴を履き替えては次から次へと別人になりすまし、マフィアと闘う羽目になる。
マフィアを魔法の靴を履いて懲らしめる、と言う単純な設定ならまだ楽しめた。
だが、本作はそのマフィアをリアルに描写した事によって、ファンタジー色がかなり薄れている。
大量の血、リアルなリンチ場面、さらに主人公は誤ってマフィアの一人を殺してしまう……。
2.夢を見せてくれるのがファンタジー
だと思うんだよね。
大人だってファンタジーを見た後は、少しの夢を、少しの希望を見たいと思っている。
そのために2時間という貴重な時間を捧げているんだよ。
そんなシーンは一切なかった。
3.やっぱり奇跡が見たいんだ
人物が変わるだけで、あんまりピンとこないし、死体が消えるのは確かに不思議だが、種明かしがあると、奇跡でもなんでもない。
ラストにもちょっとしたネタばらしがあるが、勘のいい人は途中で気がつく程度だ。
取って付けたようなエンディングも、もちろん奇跡でもなんでもない。
残念ながら、見終わった後に、少しでも変わった自分は見つけられなかった。
▶︎『ネバーエンディング・ストーリー』と言う映画がある。
学校に通う男の子が、本の中に迷い込んで冒険をする物語。
一見すると子供向けのファンタジーだが、気が付けば、その男の子と一緒に、その世界に迷い込んでいる自分がいる。
そして、大人は忘れていた童心と向き合うことになる。
ここで言う童心とは、夢や希望、勇気を持っていた頃の心を言う。
男の子が現実の世界に戻ってきた時、少し前の自分より成長した姿を見せてくれる。
僕は気持ちを新たにし、「この映画は心に響いたなぁ」とシネマノートに書き残す……。
そして、良質な映画はジャンルを問わず、皆に見て欲しい、後世に伝わって欲しいと、僕はブログに記事を書く、下手な落書きと共に。
1.ファンタジーとマフィアは水と油だろ
2.夢を見せてくれるのがファンタジー
3.やっぱり奇跡が見たいんだ

1.ファンタジーとマフィアは水と油だろ
代々秘密に受け継がれてきた古い機械式のミシン。
そいつで靴の修理をして、試しに履いてみると、持ち主の姿に変身してしまう……と言うのはファンタジーだと思うから許せる。
ところが訳あって靴職人のベンは、立ち退きを迫られたアパートの老人に力を貸すことになり、色々な靴を履き替えては次から次へと別人になりすまし、マフィアと闘う羽目になる。
マフィアを魔法の靴を履いて懲らしめる、と言う単純な設定ならまだ楽しめた。
だが、本作はそのマフィアをリアルに描写した事によって、ファンタジー色がかなり薄れている。
大量の血、リアルなリンチ場面、さらに主人公は誤ってマフィアの一人を殺してしまう……。
2.夢を見せてくれるのがファンタジー
だと思うんだよね。
大人だってファンタジーを見た後は、少しの夢を、少しの希望を見たいと思っている。
そのために2時間という貴重な時間を捧げているんだよ。
そんなシーンは一切なかった。
3.やっぱり奇跡が見たいんだ
人物が変わるだけで、あんまりピンとこないし、死体が消えるのは確かに不思議だが、種明かしがあると、奇跡でもなんでもない。
ラストにもちょっとしたネタばらしがあるが、勘のいい人は途中で気がつく程度だ。
取って付けたようなエンディングも、もちろん奇跡でもなんでもない。
残念ながら、見終わった後に、少しでも変わった自分は見つけられなかった。
▶︎『ネバーエンディング・ストーリー』と言う映画がある。
学校に通う男の子が、本の中に迷い込んで冒険をする物語。
一見すると子供向けのファンタジーだが、気が付けば、その男の子と一緒に、その世界に迷い込んでいる自分がいる。
そして、大人は忘れていた童心と向き合うことになる。
ここで言う童心とは、夢や希望、勇気を持っていた頃の心を言う。
男の子が現実の世界に戻ってきた時、少し前の自分より成長した姿を見せてくれる。
僕は気持ちを新たにし、「この映画は心に響いたなぁ」とシネマノートに書き残す……。
そして、良質な映画はジャンルを問わず、皆に見て欲しい、後世に伝わって欲しいと、僕はブログに記事を書く、下手な落書きと共に。
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