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シネマの自由時間

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【友よ静かに死ね】ハイビジョンで見る! 

今日は【70’シネマ】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
1977年の公開時に、どーしても劇場に足を運ぶ気になれなかった映画の一つ。
その理由は、ドロンのヘアー・スタイルにあった。
ロードショー誌で、初めてあのカーリー・ヘアーを写真で見た時に、強烈な違和感を覚えたからだ。
その後も、TV放映などで見る機会を逃したりしていたので、今回BSハイビジョンでやっと見る事が出来た。

『ボルサリーノ』『 ボルサリーノ2』『フリック・ストーリー』と、名コンビぶりを発揮していたジャック・ドレーの監督作とあって期待して観たが、正直なところ面白い作品に仕上がっているとは言い難く、かなり明星、いや平凡に終わっている(……)。

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第二次世界大戦終結直後のフランスで、実際に起こった事件を、シトロエン・ギャングの生活(中でもドロン)を中心に描いている。
ただ、強盗シーンは何処かコミカルで、緊迫感に欠けるが、もしそれが監督の狙いなら、全編をもっとコメディ寄りにした方が、ラストの悲しみも倍増したんじゃないかな。そう、『ボルサリーノ』のように。
今作は、ドロンの新しい一面を引き出そうと、例のカーリー・ヘアーにまでして見せたが、作品的な山場に欠けている。
ジャック・ドレーと言う人は、以前から思っていたんだけど、現代劇よりも、少しクラシカルな作品を撮りたがる人なんだよね。
ヌーベルヴァーグの台頭を経験したが、それに憧れながらもその波に乗ろうとはしなかった、丘サーファー的な人で、良い意味において、フランス映画の伝統を引き継ごうとしていたように思える。
ただ、この映画が制作された1976年以降のフランス映画界は、新しい波も消え、伝統は見失われて行き、混迷の時代へと突入する事になる。(俳優や監督、スタッフ、プロデューサーにも同じ事が言える)
少し横道に外れたので、話を戻そう。
この映画は、ニコール・カルファン(!)の魅力と、ラグタイム調の音楽に、大いに助けられている、と言っても過言じゃない。

今回はハイビジョンで見る事が出来たが、圧倒的な色の美しさには驚かされた。
逆に、アナログ放送が終了すると、レストアされない映画は、オンエアされない、と言う危惧もあるが……。
ま、良い意味でも悪い意味でも、1970年代の映画だなぁ……、と感じる作品でした。

Category: 休日は名画座で

Thread: 心に残る映画

Janre: 映画

Tag: 70’S  フィルムノワール  イラスト 
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