シネマ・サーフィン ~6~

今日は【レトロ風SF映画】の時間です。
こんばんは、ロッカリアです。
実はこの映画、最初に劇場で見た時はあんまり面白くなかった。勿論、人物と小物以外は全てCGで撮影された事は予備知識として知っていたし、実際にその映像もなかなかのもんだった。
でも、何か物足りない感じがしたんだ……。
それから、この映画は5回ほどDVDで見て、今回はHD映像で見直した。
するとどうだろう、意外にのめり込んで観ちゃったよ。
何でだろうと?考えてみると、最初に劇場で見た時の感想を思い出した。
確かあの時、「CGじゃなくて、これを実写で映像にしたら面白いのに……」と言う思いだった。
今にして思えば、モーション・キャプチャーやパフォーマンス・キャプチャーで俳優を取り込んだ方が、バックグラウンドと溶けて、より効果を上げたはず。
実写の人物とCGの背景にどうしても違和感を抱いていた事に気が付いた。
さすがに、何回も見直すと目が慣れて来たのか、今回は物語に没入する事が出来た、と言う事なんだろう。
そして、物語に入り込むと、色んなものが見えて楽しめる、と言う仕組みだ。
例えば、最初の飛行船がニューヨークの摩天楼に一時停船する所から、ロボットが街を襲うまでは意外にハードボイルドの探偵が謎を追いかけるような出だしで、ミステリーな感じさえするし、グウィネス・パルトローとジュード・ロウのコンビは、よく見ていると夫婦漫才だ。特に、アンジェリーナ・ジョリーが登場するあたりからは、グウィネスの表情を見ているだけで楽しい。

また、アンジェリーナが乗船している、空飛ぶ空母みたいな乗り物は、キャプテン・スカーレットのスペクトラムの基地のようでカッコいい。
後半の、トーテンコフの島の描写はまるで『キング・コング』の骸骨島だし、ロケット基地は、手塚先生の漫画そのもの。
遊び心で溢れていた。
また、グウィネスの持っているカメラのフィルムがあと2枚しかなく、一体何を最後に撮るのか?と言うのが気になるが、これがこの映画のオチにもなっている。(最後まで夫婦漫才だ)
不思議な魅力がある、レトロ風SF映画、軽くおススメです。