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シネマの自由時間

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【エンジェル・ウォーズ】が難しかった人へ。 

今日は【最近見た映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
シネマ・サーフィンはひとまず終了です。でも、この映画もSFと言えばSFだよなぁ……。

ど~せアクションを中心に見せたいだけに作られた映画だろう、これは……。
この映画の予告を何度か見たり、「自由になれるのは、夢の中だけだった……」と言う解説を耳にした結果の印象だった。
しかし、やっぱり映画は自分の目で見て判断するものだと言う事を、改めて思い知らされた。
それは、手放しで面白い映画、と言うより、自身のイマジネーションを大いに刺激される作品だ。

チケットベース白2

今日はネタバレしないとこの映画を語れないので、未見の人はご遠慮下さいね。

この映画は面白い事に、100人見た人が100通りの解釈をしているところだ。
例えば、現実と妄想の区別がつかないとか、オタクマインド溢れる傑作だとか、施設を抜け出すためにアイテムを集め脱出しようとする映画、夢の中でまた夢を見る『インセプション』的な映画、などなど。

間違っている。
結論から言えば、精神病院に入れられ、ロボトミー手術を受ける所までが現実の話で、以後、エンドロールまでは、全てロボトミー手術を施されたベイビードールの見た幻想、イマジネーションに過ぎない。
ラストの方で、娼婦の館から元の精神病院に場面転換すると、またロボトミー手術を受けているシーンにフィードバックする。
ここで、放火や少女の脱出、キーやナイフと言ったアイテムを盗んだこと、人を刺した事が実際にあったかのような錯覚的、説明的なシーンがある。
これでは、ベイビードールが病院を娼婦館にイメージを変えただけで、コックからスイートピーを助けたり、脱走計画が実際に行われたり、スイートピーの死は本当だったんだと思う。いや、そう思うように作られている。
だが、ベイビードールが踊り出すとトランス状態に入り、4つの世界で有り得ない戦いが繰り広げられる。(この映画の見せ所でもある)
この時、必ず登場するのがジョン・グレン。キーワードはこの人だ。
娼婦館で帝王として君臨していたブルーも、実際はただの看護師。サインを偽造した事から逮捕され、脱走したアンバーは、警察の手から、バスの運転手の助けを得て無事に旅立つ。
ラストは絵に描いたような夕陽に向かってバスは走って行く。
めでたしめでたしのハッピーエンドだが、このバスの運転手がジョン・グレンである事から、実はこの物語はベイビードールが見ている幻想の世界から抜け出していないのだ。
また、エンディングのナレーションに疑問を抱いた人はいないだろうか?(疑問を持った人は偉い!)

「誰が真実とウソの区別を教えてくれる?
  ~中略~
誰が私たちを縛り、自由への鍵を握っているのか?
  ~ここで完全に映像は消え、暗転~
それはあなた。
武器はそろってる。
さあ、戦って……」


観客に向かって、一体何と戦え、と言っているのか?
現実の起こり得る様々な出来事に勇気をもって戦えと、説教じみた事ことを言っているのか?

いや違う。
このナレーションはエンド・ロールにかぶっている。
つまり、見終わった事によって戦う準備が出来たと言っている。
それは、「あなたの持っているイマジネーションと格闘せよ。そしてこの映画を最大限に楽しむのだ」と言う、ザック・スナイダー監督の熱いメッセージだと受け取りたいものだ。
最後に、キーワードにジョン・グレンを上げたもう一つの理由がある。
彼は一体何者なのか?
単に、これから始まる異世界バトルへの水先案内人(夢先案内人!)なのか……。
僕は思う。
彼、ジョン・グレンは、ベイビードールの本当のお父さんじゃないのか。
そう考えると、ロボトミー手術を受けてしまったが、いつでも夢の世界、イマジネーションの世界でお父さんと会える。
このシチュエーションこそが、ある意味、本当のハッピーエンドと言えないだろうか……。

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Category: レビューがはじまる

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