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『ガス人間第一号』は特撮版「オペラ座の怪人」か? 

今日は【シネマ・サーフィン~15~】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
変身人間シリーズの最期を飾るのがコレ。
前二作で刑事役をしていた土屋嘉男が、ガス人間こと水野を熱演している。(一見、雨上がりの宮迫に似ている?)
今回のヒロインは、日本舞踊の家元、春日藤千代を演じる八千草薫だ。
もと、タカラジェンヌの彼女はこの時29歳にして、数多くの映画に出演していた。堂々たる演技には凄味さえ感じるが、それ以上に見た目の美しさ(いや、可愛らしさと言った方がいいかも知れない)が、同年代の女優さんと比べても群を抜いている。

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物語は、銀行が襲われて現金が奪われるが、この事件には警察も頭を抱えてしまう謎が残った。
ひとつは、銀行員の死因で、窒息死なのだが、何が原因で窒息したのかが分からない。二つ目は、犯人がどうやって金庫室に入り出たのか。
と言うのも、金庫室のカギは死んだ銀行員が持っていて、合カギは本社にちゃんと保管されていたからだ。
ま、この辺は映画のタイトルから、見ている方は簡単に想像できるけど……。
その一方で、別の事件の犯人を追いかけていた岡本警部補(三橋達也)のパトカーは、山道でコントロールを失い事故を起こしてしまう。
何やら音がする方に歩いて行くと、一軒の家に辿り着くが、そこで般若の面を付けて踊る女性を目にする。
面を取った素顔のあまりの美しさに目を奪われるが、この女性こそ、斜陽の春日流をなんとか守ろうと発表会を開こうとするが、舞踊界ではもはやだれにも相手にされなくなった藤千代だった。
実は、ガス人間と呼ばれるようになった水野(自分で、俺はガス人間第一号だ、と名乗る)が、愛した藤千代の為に銀行強盗を繰り返し、そのお金を発表会や演奏家、家元たちに渡す資金としていた。
藤千代は、そんな理由も知らずに、水野からお金を受け取っていた。
水野がガス人間であることを知った後も、水野を拒絶する事無く、結婚すら考えているように見えたのだが……。

この映画は、人間でありながら異形となってしまった水野と、その愛を受け入れようとする藤千代の純愛を描いている。
また、この作品では、邦画には珍しいマッド・サイエンティストが登場する。
水野がガス人間になってしまったのも、この博士の実験による副産物なのだ。
特撮スタッフは、人間をガス状に見せるのに苦労したと思う。
本編では使われなかったが、水野のゴム人形を作って、ガス化の際に、中の空気を抜いて、姿をしぼませる演出などが予告編で見る事が出来る。
また、ラストのスペクタル・シーンでは、実写と寸分違わないビルの炎上、消火シーンには、思わずお見事!と声を掛けたくなる。

これで、変身人間シリーズは一応終了するが、この大人向けに作られた恐怖特撮シリーズのテイストは、以後も人気を呼ぶ『吸血ゴケミドロ』『吸血髑髏船』、そして、傑作『マタンゴ』へと受け継がれて行った。
もちろん、この恐怖のテイストは初期のゴジラ・シリーズや巨大怪獣シリーズにも影響を与えた。
どの作品のどの部分にその影響を見る事が出来るのかは、今後、このブログで取り上げるかも知れないし、取り上げないかも知れない。
「お、ブログ読者を煙に巻く気か!?」
いいえ、ガスです。



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Category: 特集

Thread: 特撮・SF・ファンタジー映画

Janre: 映画

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