『お熱いのがお好き』って?
こんばんは、ロッカリアです。
『七年目の浮気』完成後、「もう二度とマリリンとは仕事しない!」と公言したビリー・ワイルダー監督が、何故、再びマリリンと映画を撮ったのか?
それは、この映画を見ればすぐに分かる。
セックス・シンボルと呼ばれていた彼女だったが、ビリー・ワイルダーはそんな彼女のコメディエンヌとしての才能を見抜いていたからだ。
物語は、ギャングの殺人現場を偶然目撃してしまったトニー・カーティスとジャック・レモンが、女装して女だらけの楽団に紛れ込んで、ギャングから逃れる、と言う事を軸に展開されるのだが……。
フロリダのホテルに着いた一行は、昼間はビーチで遊び、夜はステージでの演奏。
そんな中、トニー・カーティスは何とかマリリンを口説こうと富豪に変装してクルーザーで夢のような一夜を過ごす。
一方、本物の大富豪にプロポーズされたジャック・レモンは、男である事を忘れ有頂天になっていた。
そこに、二人を探していたギャングが偶然にもホテルに到着した所から、上へ下への大騒ぎになってしまう……。

見所は何と言っても女装してドタバタするトニー・カーティスとジャック・レモンの掛け合いなんだけれど、舞台背景を禁酒法時代に設定した事が面白い。
クラシック・カーでのカー・チェイスや銃撃戦。
葬儀屋の地下に造られた酒場でのダンスや音楽。
蒸気機関車が牽引する寝台列車でのパーティー。
ビリー・ワイルダー監督のディテールにこだわった演出は全く古さを感じさせないで、観る者をあの日あの時にトリップさせてくれるのだ。
この映画も風邪で寝ている時に、WOWOWで見たんだけど、後日広川太一郎と愛川欽也の吹替え版も見てみた。
この黄金コンビによる日本語版は懐かしいだけじゃなく、今でも充分に面白く楽しいし、この映画が頻繁にTVでオンエアされていた時代の空気感までも見事に甦って来る。
ちなみに……。
僕は長年この映画のタイトルが、どうも内容にあっていないと感じていたので、今回ちょこちょこっと簡単にだが調べてみた。
「SOME LIKE IT HOT」と言うのはマザー・グースの手遊び歌、「PEASE PORRIDGE HOT]の一節から引用されているようだ。
「SOME LIKE IT HOT、SOME LIKE IT COLD」と言う歌詞があって、これは「熱いのが好きな人もいれば、冷たいのが好きな人もいる」となる。
なるほど、劇中で、リッチマンに扮したトニー・カーティスがマリリンに向かって、「僕はホットなジャズよりクラシックがの方が好きだ」と言う場面を思い出すし、本物の大富豪がどう見ても美人とは言えないジャック・レモンに熱を上げるのも、「人の好みは色々だから」と解釈すると、この映画のテーマが鮮明に見えて来るから不思議だ。
すなわち、「人の好みは色々。だから人生って楽しいんだよ」と言う事か……。
さすがビリー・ワイルダーだねぇ。
『七年目の浮気』完成後、「もう二度とマリリンとは仕事しない!」と公言したビリー・ワイルダー監督が、何故、再びマリリンと映画を撮ったのか?
それは、この映画を見ればすぐに分かる。
セックス・シンボルと呼ばれていた彼女だったが、ビリー・ワイルダーはそんな彼女のコメディエンヌとしての才能を見抜いていたからだ。
物語は、ギャングの殺人現場を偶然目撃してしまったトニー・カーティスとジャック・レモンが、女装して女だらけの楽団に紛れ込んで、ギャングから逃れる、と言う事を軸に展開されるのだが……。
まずこの時点で、トニー・カーティスとジャック・レモンの女装姿に、「絶対バレるだろう!」とか「絶対無理があるって!」と思った人は、すでにビリー・ワイルダーの術中にハマっているのだ。
フロリダのホテルに着いた一行は、昼間はビーチで遊び、夜はステージでの演奏。
そんな中、トニー・カーティスは何とかマリリンを口説こうと富豪に変装してクルーザーで夢のような一夜を過ごす。
一方、本物の大富豪にプロポーズされたジャック・レモンは、男である事を忘れ有頂天になっていた。
そこに、二人を探していたギャングが偶然にもホテルに到着した所から、上へ下への大騒ぎになってしまう……。

見所は何と言っても女装してドタバタするトニー・カーティスとジャック・レモンの掛け合いなんだけれど、舞台背景を禁酒法時代に設定した事が面白い。
クラシック・カーでのカー・チェイスや銃撃戦。
葬儀屋の地下に造られた酒場でのダンスや音楽。
蒸気機関車が牽引する寝台列車でのパーティー。
ビリー・ワイルダー監督のディテールにこだわった演出は全く古さを感じさせないで、観る者をあの日あの時にトリップさせてくれるのだ。
この映画も風邪で寝ている時に、WOWOWで見たんだけど、後日広川太一郎と愛川欽也の吹替え版も見てみた。
この黄金コンビによる日本語版は懐かしいだけじゃなく、今でも充分に面白く楽しいし、この映画が頻繁にTVでオンエアされていた時代の空気感までも見事に甦って来る。
ちなみに……。
僕は長年この映画のタイトルが、どうも内容にあっていないと感じていたので、今回ちょこちょこっと簡単にだが調べてみた。
「SOME LIKE IT HOT」と言うのはマザー・グースの手遊び歌、「PEASE PORRIDGE HOT]の一節から引用されているようだ。
「SOME LIKE IT HOT、SOME LIKE IT COLD」と言う歌詞があって、これは「熱いのが好きな人もいれば、冷たいのが好きな人もいる」となる。
なるほど、劇中で、リッチマンに扮したトニー・カーティスがマリリンに向かって、「僕はホットなジャズよりクラシックがの方が好きだ」と言う場面を思い出すし、本物の大富豪がどう見ても美人とは言えないジャック・レモンに熱を上げるのも、「人の好みは色々だから」と解釈すると、この映画のテーマが鮮明に見えて来るから不思議だ。
すなわち、「人の好みは色々。だから人生って楽しいんだよ」と言う事か……。
さすがビリー・ワイルダーだねぇ。