『ゴーストライター』 主人公は幽霊…。
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こんばんは、ロッカリアです。
プロローグで見つかった溺死体が、元英国首相の自叙伝を書いていたゴーストライターだった事が分かると、その後釜に座ったユアン・マクレガーの身を必然と心配してしまう。
ただの作家が、これからどのように追い込まれて行くのか……。
ロマン・ポランスキーの演出は冴えている。
とても繊細なのに力強い。
一体何が起こっているのか、見ている方もユアン同様分からないのだが、グイグイ引っ張って行くのだ。
冬のアメリカは東海岸の孤島、そこの別荘の佇まいが良い。
その存在感は、この映画のもう一つの主役と言えるほどだ。
セットとロケーションを巧みに合成し、まるで監禁されてしまったかのような環境と、ポランスキー独特の彩色で描かれた構図は、見る者の心の奥にまで冷気を投げかけて来る。
前任者が残した手がかりが、ラング元首相(ピアース・ブロスナン)の過去に更なる謎を呼び起こし、前任者はどうして死んだのか?
或いは殺されたのかも知れないと言う真実を、探し求めるユアンだが、彼にも正体不明の男たちが襲いかかって来る。
時同じくして、ラング元首相も、テロリストの拷問に加担した容疑で告発され窮地に陥っていた。
孤立無援のユアンは、残されていた謎の電話番号に電話すると、ラングのライバルとも言える外務大臣をしていたリチャード・ライカートのものだった。
一体誰が敵で、誰が味方なのか?
一瞬たりとも目が離せない展開、そして、衝撃のラストに、見る者は言葉を失う……。

ロマン・ポランスキー監督と聞いて、若い人なら、ああ、『戦場のピアニスト』でアカデミー賞を取った監督か~、と思う人は結構な映画通だ。
だが、オールドファンなら、やっぱり『水の中のナイフ』『反撥』に始まり、『ローズマリーの赤ちゃん』『チャイナタウン』『テス』『フランティック』と言った名前が上がるだろう。
中でも個人的には『ローズマリーの赤ちゃん』と『チャイナタウン』!
この『ゴーストライター』は、今上げた作品の中では『フランティック』に似たサスペンスとスリラーのムードを兼ね備えていると言える。
ユダヤ人のポランスキーには、幼少期の第二次世界大戦中、ドイツ軍から逃げ回った経験が、今も大きく影を落としている。
母親は強制収容所で命を落とし、父親は強制労働で生き延びたものの、身体はボロボロだった。
そんな彼は、いつもスキャンダルに巻き込まれていた。
シャロン・テート事件の始まり、未成年者レイプ疑惑や、15歳のナスターシャ・キンスキーとの肉体関係の告白したりと、波瀾万丈である。
現在も、未成年者レイプ疑惑でアメリカから逃亡している状態だ。
映像作家と言うのは、そんな人生観がモロに作品に出てしまう。
この映画でも、アメリカのイメージとは程遠いロケーション。
僕の感覚から言えば、イギリスは冬の厳しいダートムーア地方のイメージがする。(実際、逃亡中の彼だから、一体何処で撮影したのか知りたいぐらいだ)
この、もう一つの主役とも言える孤島のトーン、これこそがポランスキーと言う人間のフィルターを通して描く、サスペンスのムード作りに大いに役立っている。
緻密な演出に定評のある彼だが、ミステリー好きのファンには少し不満が残るだろう。
殺された前任者のゴーストライターが残した原稿のトリックは、あまりにも単純だし、前例があり過ぎる。
この謎解きには少々拍子抜けしてしまうに違いない。
だからと言って、作品全体の価値が損なわれるわけでは無い。
それどころか、その原稿が、衝撃のラスト(印象深いラスト、と言っても良い)に繋がっているのも、作品を一段高めていると言える。
ああ、僕にもゴーストライターがいてくれたら、夜遅くブログを書かなくても済むのになぁ……。

こんばんは、ロッカリアです。
プロローグで見つかった溺死体が、元英国首相の自叙伝を書いていたゴーストライターだった事が分かると、その後釜に座ったユアン・マクレガーの身を必然と心配してしまう。
ただの作家が、これからどのように追い込まれて行くのか……。
ロマン・ポランスキーの演出は冴えている。
とても繊細なのに力強い。
一体何が起こっているのか、見ている方もユアン同様分からないのだが、グイグイ引っ張って行くのだ。
冬のアメリカは東海岸の孤島、そこの別荘の佇まいが良い。
その存在感は、この映画のもう一つの主役と言えるほどだ。
セットとロケーションを巧みに合成し、まるで監禁されてしまったかのような環境と、ポランスキー独特の彩色で描かれた構図は、見る者の心の奥にまで冷気を投げかけて来る。
前任者が残した手がかりが、ラング元首相(ピアース・ブロスナン)の過去に更なる謎を呼び起こし、前任者はどうして死んだのか?
或いは殺されたのかも知れないと言う真実を、探し求めるユアンだが、彼にも正体不明の男たちが襲いかかって来る。
時同じくして、ラング元首相も、テロリストの拷問に加担した容疑で告発され窮地に陥っていた。
孤立無援のユアンは、残されていた謎の電話番号に電話すると、ラングのライバルとも言える外務大臣をしていたリチャード・ライカートのものだった。
一体誰が敵で、誰が味方なのか?
一瞬たりとも目が離せない展開、そして、衝撃のラストに、見る者は言葉を失う……。

ロマン・ポランスキー監督と聞いて、若い人なら、ああ、『戦場のピアニスト』でアカデミー賞を取った監督か~、と思う人は結構な映画通だ。
だが、オールドファンなら、やっぱり『水の中のナイフ』『反撥』に始まり、『ローズマリーの赤ちゃん』『チャイナタウン』『テス』『フランティック』と言った名前が上がるだろう。
中でも個人的には『ローズマリーの赤ちゃん』と『チャイナタウン』!
この『ゴーストライター』は、今上げた作品の中では『フランティック』に似たサスペンスとスリラーのムードを兼ね備えていると言える。
ユダヤ人のポランスキーには、幼少期の第二次世界大戦中、ドイツ軍から逃げ回った経験が、今も大きく影を落としている。
母親は強制収容所で命を落とし、父親は強制労働で生き延びたものの、身体はボロボロだった。
そんな彼は、いつもスキャンダルに巻き込まれていた。
シャロン・テート事件の始まり、未成年者レイプ疑惑や、15歳のナスターシャ・キンスキーとの肉体関係の告白したりと、波瀾万丈である。
現在も、未成年者レイプ疑惑でアメリカから逃亡している状態だ。
映像作家と言うのは、そんな人生観がモロに作品に出てしまう。
この映画でも、アメリカのイメージとは程遠いロケーション。
僕の感覚から言えば、イギリスは冬の厳しいダートムーア地方のイメージがする。(実際、逃亡中の彼だから、一体何処で撮影したのか知りたいぐらいだ)
この、もう一つの主役とも言える孤島のトーン、これこそがポランスキーと言う人間のフィルターを通して描く、サスペンスのムード作りに大いに役立っている。
緻密な演出に定評のある彼だが、ミステリー好きのファンには少し不満が残るだろう。
殺された前任者のゴーストライターが残した原稿のトリックは、あまりにも単純だし、前例があり過ぎる。
この謎解きには少々拍子抜けしてしまうに違いない。
だからと言って、作品全体の価値が損なわれるわけでは無い。
それどころか、その原稿が、衝撃のラスト(印象深いラスト、と言っても良い)に繋がっているのも、作品を一段高めていると言える。
ああ、僕にもゴーストライターがいてくれたら、夜遅くブログを書かなくても済むのになぁ……。
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