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『ビートルズ』と言う映画 

こんばんは、ロッカリアです。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門 北海道知事賞と言う聞いたことも無い賞を取った、おそらくは自主制作映画だ。

見た時点では、全く情報が無い中、スカパー無料放送期間中に見た30分モノクロ作品。

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1966年7月1日、一人の大学生風の男、成田がビートルズの来日コンサートを見ようと、武道館の近くでチケットを求めて立っていると、すぐ横にヒッピーの男と体格のいい彼女が同じようにチケットを求めてやって来た。
最初に1枚のチケットゲットしたのは成田だったが、そのチケット巡ってヒッピーの男と一悶着ある。
結局力ずくでヒッピーがチケット持ち去って女にプレゼントする。
チケットとられた成田は、失意に暮れて、原っぱらしき場所のベンチで寝ていると、何とそこにビートルズの4人がやって来て、成田を励ますようにおどけて見せる。
朝が来て、夢だと思ったが、4人はまだそこに居た。
そして、あろうことか、4人はチケットを取り戻そうと成田を従え、ヒッピーの住んでいるアパートに。
4人は、ヒッピーに殴る蹴るの暴行(と言ってもあくまでコミカルに。だって電気アンマをかましていたもん)するが、チケットはすでに女が持ち去り、ヒッピーの男もフラれてしまっていた。

コンサート当日、成田とヒッピーの男は、武道館の壁越しに耳を傾けるが、壁は厚く、まともに聞こえて来ない。
成田は呟いた。
「また来てくれるかな……」

そして現代。
医者や家族が見守る家の一室で、年老いた成田が寝ている。
そして、「来なかったなぁ……」と一言呟くと息を引き取った……。
その瞬間、ビートルズの4人があの時の姿で現れ、成田の前で演奏が始まった。
それは、成田が心から見たかった、あの日のコンサートの再現をしているようだった……。

この映画を批判するのは簡単だ。
似ていない外人をビートルズに見立てるよりも、いっその事顔を見せない方が効果があったんじゃないか(『抱きしめたい』と言うゼメキスの名作のように…)。
楽曲が使えないのなら、いっそのことサイレントと言う手もあったんじゃないか。
構図が陳腐過ぎないか?等々だ。

だが、若い頃に、ビートルズと言う一つのカルチャーに取り憑かれてしまい、とんでもない影響を受けた人や、その人たちの人生基盤に、大きなインスパイアを与えたであろうと言う、そんな熱い思いが僕には伝わって来た。
そして、自主制作と言う若い力による情熱を持ったこういう作品が、また、新しい人に何らかの影響を与えて行くのだ。
そして、商業主義に毒され、作りたいモノが作れない現代の映画の姿に、鉄槌を振り下ろす効果が生じるのだ。
映画関係者は、こう言った、今失われつつある映画のスピリットを呼び起こす作品にこそ、光を当てなくちゃいけないとも感じる。

自主映画、それは僕を含めて、多くの映画好きの人たちが、原点の熱い思いを蘇えらせるアイコンかも知れない。
そして人は、その熱い思いに動かせられるのだ……。

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Janre: 映画

Tag: ロック 
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