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映画看板を潜り抜けて…。 

こんばんは、ロッカリです。

毎日新聞3月24日、日曜版の関西向けの紙面に、今も手描きの映画看板を描き続ける人の特集が載っていました。
現在では、通天閣で有名な、新世界国際劇場の一館だけが手描きの映画看板を掲げているそうです。

手書き看板
(クリックで拡大します↑)

僕がガキの頃、つまり1970年代は、手書きの映画看板は当たり前だった。(もちろんそれ以前も!)
映画館に足を運ぶと、巨大な看板に出迎えられる。
ポスターを真似て描いたもの、凝ったデザインのもの、俳優の顔があんまり似ていないものなど、話題には事欠かない。
目的の映画館の看板を潜り抜ける時は、今から見る作品への期待値はMAXだ。
そうやって、僕ら世代は映画館と付き合ってきた。
しかし、ビデオレンタルの時代に突入すると、観客動員数は減少し、劇場側は経費削減を余儀なくされて、手描きの映画看板はタイトル文字だけになったり、数枚のコピー写真をフランケンシュタインの怪物のように繋ぎ合わせた、醜い物に代わってしまった。
時代が、明らかに悪い方向へと変わって行く事を実感したのは僕だけじゃないだろう。
映画のどのシーンを切り取って看板に描くのか、俳優の顔は似ているのか似ていないのか、そんな楽しみは奪われてしまっていった。
手描き看板は勿論のこと、劇場の入り口には上映中のポスターが立て看板風にあって、ロビーには、当たり前のようにロビー・カードが飾られ、次回の上映作品は劇場に足を運んで初めて知る事が出来た。
売店は今ほど品揃えが多くなくて、パンフレットだけを買うのか、余裕がある時はチョコとドーナツを天秤にかけたりする。飲むものと言えば、何故か外で買うより割高だったんだ。
次回作の期待を大いに高める凝ったチラシを、大切にパンフレットの間に挟み、面白い映画、気に入った映画なら、続けて2回観るなんてのは当たり前だった。(勿論、座席は1回目よりも良いポジションに移動する事を忘れてはならない!)
映画は、映画館と言う一つのパッケージで観ていた時代だったんだ。
だからこそ、思い出もいっぱい生まれたんだと思う。
こう言う体験は、現代では体験する事はできないだろうし、特に若い世代に「昔の映画体験は素晴らしかったんだぜぇ」とワイルドに言っても通用するまい。
しかし、映画と言うものを語る時に、そんな時代もあったんだと言う事を伝えるのは、そんな時代に生きた人間以外に出来ないだろうし、同世代の人においては、このブログに遊びに来て頂いた時に、大いに古き良き時代の事を思い出してもらいたい。
そして、楽しんでもらえたら、そんな嬉しい事はない。
たった一館しか残されていない手書きの映画看板を掲げる劇場、それを描き続ける職人さんの記事を読んで、記事にしてみました。

ま、手描きの看板以上に、僕の描く落書きの方が、はるかに似ていないのは、愛敬と言う事で……。

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Category: シネマ・エッセイ

Thread: 映画館で観た映画

Janre: 映画

Tag: 映画館版 
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