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『悪魔の手毬唄』 本当に恐いシーンはここ! 

こんばんは、ロッカリアです。

悪魔の手毬唄手毬唄を歌いながら毬を付く老婆のシーンが凄すぎる!
映画を観ていて、ふと何気無いシーンに「あっ」と、鳥肌が立つ。
そのシーンとは、聴かせたい唄があると呼ばれた金田一耕助が訪れた家で、老婆が歌いながら手毬を付く。
ただそれだけのシーンなのだが、よく見ると老婆が付く手毬は、まるで異次元空間を漂うように、異常なのだ。
何回も見ている映画なのに、今迄は違和感を感じなかった。YOUTUBEでこのシーンの映像は見つけられなかったけど、DVDを持っている人はチェックして見てはどうでしょう。
前作の『犬神家の一族』よりは地味な演出ながら、血は水よりも濃いと歌う原作のイメージさながらに展開する物語は凄味を増している。とりわけ、犯人の意志の強さと愛情の深さに起因する連続殺人事件は、今回も金田一耕助を悩ます。映画に関しては今更とやかく言う必要もないだろう。そこで、今回は…
金田一耕助と言う名探偵についての一考察を。
時折耳にする、彼はただ事件の傍観者に過ぎないし、語り部に過ぎない、と言う批判交じりの評価を聞くが、では何故彼が、僕や熱狂的なファンの間で名探偵であるのか?
まず、古今東西の名探偵、すなわちホームズであったり、ポアロやファイロ・ヴァンス、明智小五郎やエラリーたちにしても、一体誰が天才的な犯人の犯行を食い止める事が出来たと言うのか?
彼らは、不可能犯罪を太陽の下にさらけ出して、悪魔の仕業としか言いようのない所業を、ものの見事に解決する知力、推理力を持ち合わせている。
そう、本格推理においては、事件の真相を暴いて犯人を突き止める事こそが命題であって、犯行阻止を目的としていないのだ。
金田一は、一部でよく言われる、「犯行を食い止める事が出来ないダメな探偵」と言う一部のレッテルに対する僕なりの反論だ。
そう言う視点から彼の探偵ぶりを見る(読む)と、ホームズのような天才型とは少し違い、ポアロのように嫌味も無く、ファイロ・ヴァンスのように理論派でも無く、明智のようにクールでもないし、エラリーのようにお高くとまらないし、勿論マーロウのようにタフではない。
血や死体を見ると尋常じゃないほど驚き、分からないとすぐに調べに行っちゃうし、困るとすぐに頭を掻く。

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事件を解決しても自慢しないし、人一倍思いやりもある……。何処から見ても平凡な庶民と変わらないが、真実を追求する魂と、悪を絶対許さない正義感が根底にある。
それが、事件に携わった人々の記憶に残り、僕たちの心に刻み込まれる。
小説のイメージを見事に再現して見せた石坂浩二も凄いが、5作品のすべてを日本映画史に残る作品に昇華させた市川崑監督の手腕は見事としか言いようがない。
個人的にはTVシリーズの古谷一行氏も好感が持てるが、原作にあるひょうひょうとしたイメージは、やはり石坂に軍配が上がる。(これは好みの問題だと思うけどね…)
「迷路荘の惨劇」「仮面舞踏会」「悪魔が来たりて笛を吹く」と言うラインナップも、石坂=市川のコンビで見てみたかったが、今となっては叶わぬ夢だ……。
これ以上に凄い横溝作品の映画を作れる人材が、今後邦画界にも現れてくれると嬉しいものだが……。

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Category: 休日は名画座で

Thread: 日本映画

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