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『ヒッチコック』 変態さんが行く!? 

こんばんは、ロッカリアです。

実は見る前から懸念していた事がある。
『ザ・ガール ヒッチコックに囚われた女』と言うTV映画は、ティッピ・へドレンの一方的な視点から描かれていて、ヒッチ先生は色情魔以外の何者でもなかったからだ。
ヒッチ先生亡き後、こう言った悪意のある演出は、たとえ事実に基づいていても、卑怯だとしか思えない。
あれほどのセクハラを受けても、『マーニー』に続けて出演したティッピの行動は、映画ではどう描かれていようが、その性格に疑問を待つ僕の方がおかしいのか……。
ゴシップネタは、スキャンダラスなほど受けるものだと言うが……。
そんな事もあって、この作品の中のヒッチ先生も、『サイコ』のノーマン・ベイツよりもサイコに……と思っていたから、観終わった後、正直ホッとしたよ。

でも、この映画では、『サイコ』の完成にあっては、妻のアルマとヒッチ先生の共同作業なくしてあり得なかった、と言う構え。
そして、スポットライトは二人の夫婦関係を映し出す……。

でも、僕が一番面白いと感じたのは、『サイコ』の撮影秘話でも、夫婦の愛情物語でもない。
サスペンスの語源をご存知だろうか?
ズボンを吊り下げるサスペンダーに由来する。
ベルトはズボンを体にしっかりと固定するが、サスペンダーはズボンを吊り下げているため、言わば宙ぶらりんの状態で不安定になっている。
映画を見ている人に、この不安定な心理状態を与える、つまり、ハラハラドキドキさせるような作品を、サスペンス映画と呼ぶようになった。(はず……)
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で、何が一番面白かったかと言うと、サスペンスの神様と称されたヒッチ先生の心理状態こそ、映画が始まってからずーっと宙ぶらりんなのだ。
自宅を資金の抵当に入れ不安。
シャワーシーンは映倫が横やりを入れ、撮影できるか不安。
妻は不倫しているんじゃないかと不安。
完成した作品は会社幹部には不評で不安。
公開日、観客の反応が不安等々、数えだしたらキリがないのだ。
ひょっとして、これがサスペンスンの神様と称される所以かと思いたくなる。

また、ちょっと驚いたのが、この映画を見て、ヒッチ先生の映画を見てみようと思う人が意外に多かったこと。
『サイコ』は見ていないけど、今度見ようと思った。
『鳥』ってどんな映画?
ヒッチコック劇場って何?等々、若い世代の人を中心に、ヒッチコック作品を見ていない人、ホントに多い。
これは、僕らがガキの頃は、TVの洋画劇場で結構見たが、今はBSの有料チャンネルに申し込まないと、見る機会が無いのが原因かも知れない。
不便な時代である。

若い人には、ヒッチ先生の作品として、『レベッカ』と『逃走迷路』を入門編としておススメしておこう。
『レベッカ』はセルズニックと言うプロデューサーの影響下にあっても、尚も自身の特徴を示した非常に面白いサスペンスだし、『逃走迷路』は、ヒッチ先生得意のスパイ物で、1942年制作で、以後の作品を形成するエッセンシャルが全て詰まっている。
2作品ともモノクロだが、その技巧には、あっと驚かされるはずだ。

僕はヒッチ作品が好き。
言いたい事は山ほどあるけど、それはまたの機会に。
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Category: レビューがはじまる

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Janre: 映画

Tag: イラスト  サスペンス 
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