『リアル:完全なる首長竜の日』原作とは別物と心得よう
こんばんは、ロッカリアです。
原作を持つ映画の宿命は、常に原作と比較され、原作よりも良く出来ているのか? 面白いのか? イメージ通りなのか? 等々切りが無いだろう。
しかもこの映画の原作の様に、「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したとなると、より一層比較したくなるのが人間の性だろう。
しかし、結局、小説と映画を比べるのは、ナンセンスじゃないのだろうか?と言う気持ちが強くなって来ている。
そんなの当り前じゃないか!と叱咤される人もおられるだろうが、何十年と、この原作と映画の出来具合を比較して来た僕にとっては、この割り切りは結構思い切った選択なのだ。
と言うのも、最近の映画界は、コミックや小説の映像化があまりにも多く、一々比較していたら、それだけで体力を使い過ぎるからだ。(面倒だし…)
▶▶▶自殺未遂で昏睡状態が一年も続いている淳美(綾瀬はるか)の意識の中に、センシングと言う医療技術を使って、幼馴染みの浩市(佐藤健)がコンタクトする。
淳美は昏睡状態の中でも、意識レベルでは漫画家を続けていたが、最近上手く行っていないと浩市に言う。
その昔、浩市のために描いた首長竜のスケッチが見つかれば、全て元通りに上手く行くと信じている淳美のために、浩市が彼女の意識の中を、首長竜のスケッチを巡って彷徨いながら旅をする、と言うのがこの映画のストーリー。

さて、ここからはネタバレを混ぜながら進めて行かないと何も書けないので、未見の方はそれなりの覚悟をするか、白紙の状態で映画を見たい人や結末を知りたくない人は、絶対先を読まないで下さい。
冒頭の10分も見れば、浩市の行動に色々疑問が生まれる。その疑問はスグに、「ん?もしかしてこれは…」と言う疑問になり、浩市が走らせる車の背景の合成具合や街の描き方を冷静に判断すると、浩市はある意識の中から抜け出していない、と言う事が容易に想像できる。
そして、その意識の持ち主は、淳美じゃなくて、浩市自身のモノだろうとすぐに分かってしまう。
ところが、それを見る者に悟られてはいけないと、ゴマカシがある。
それは、知らないはずの中谷美紀演じる女医との会話ややり取りだ。
意識不明の状態で病院に運ばれたはずの浩市が、その女医の存在すら知る事は不可能なはずだ。
もう一つ。
自身が漫画家なのに、どうして淳美が漫画家として浩市は考えてしまったのか、混乱と言うキーワードで片付けるのはあんちょこ過ぎる。
この、とにかく真相を隠すんだ的な映像表現には大いに不満を憶えてしまう。
他にも、欠陥と呼んで差支えないシーンがあるが、良い所もあって、淳美が浩市を助けたいと言う強い思いと行動には、常套手段だと分かっていても、やっぱり心を打たれてしまうのだ。
『バニラ・スカイ』を連想させる作りだが、そこまで突き抜けていないし、どこか『インセプション』のような感じもするが、あそこまでエンタテイメントに徹し切れていない、何とも中途半端な印象だ。
表題の『リアル』に拘った演出はあまり感じられず、浩市が描くマンガの世界を、2時間ほど歩かされた、そんな気分の映画でした。
原作を持つ映画の宿命は、常に原作と比較され、原作よりも良く出来ているのか? 面白いのか? イメージ通りなのか? 等々切りが無いだろう。
しかもこの映画の原作の様に、「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したとなると、より一層比較したくなるのが人間の性だろう。
しかし、結局、小説と映画を比べるのは、ナンセンスじゃないのだろうか?と言う気持ちが強くなって来ている。
そんなの当り前じゃないか!と叱咤される人もおられるだろうが、何十年と、この原作と映画の出来具合を比較して来た僕にとっては、この割り切りは結構思い切った選択なのだ。
と言うのも、最近の映画界は、コミックや小説の映像化があまりにも多く、一々比較していたら、それだけで体力を使い過ぎるからだ。(面倒だし…)
▶▶▶自殺未遂で昏睡状態が一年も続いている淳美(綾瀬はるか)の意識の中に、センシングと言う医療技術を使って、幼馴染みの浩市(佐藤健)がコンタクトする。
淳美は昏睡状態の中でも、意識レベルでは漫画家を続けていたが、最近上手く行っていないと浩市に言う。
その昔、浩市のために描いた首長竜のスケッチが見つかれば、全て元通りに上手く行くと信じている淳美のために、浩市が彼女の意識の中を、首長竜のスケッチを巡って彷徨いながら旅をする、と言うのがこの映画のストーリー。

さて、ここからはネタバレを混ぜながら進めて行かないと何も書けないので、未見の方はそれなりの覚悟をするか、白紙の状態で映画を見たい人や結末を知りたくない人は、絶対先を読まないで下さい。
冒頭の10分も見れば、浩市の行動に色々疑問が生まれる。その疑問はスグに、「ん?もしかしてこれは…」と言う疑問になり、浩市が走らせる車の背景の合成具合や街の描き方を冷静に判断すると、浩市はある意識の中から抜け出していない、と言う事が容易に想像できる。
そして、その意識の持ち主は、淳美じゃなくて、浩市自身のモノだろうとすぐに分かってしまう。
ところが、それを見る者に悟られてはいけないと、ゴマカシがある。
それは、知らないはずの中谷美紀演じる女医との会話ややり取りだ。
意識不明の状態で病院に運ばれたはずの浩市が、その女医の存在すら知る事は不可能なはずだ。
もう一つ。
自身が漫画家なのに、どうして淳美が漫画家として浩市は考えてしまったのか、混乱と言うキーワードで片付けるのはあんちょこ過ぎる。
この、とにかく真相を隠すんだ的な映像表現には大いに不満を憶えてしまう。
他にも、欠陥と呼んで差支えないシーンがあるが、良い所もあって、淳美が浩市を助けたいと言う強い思いと行動には、常套手段だと分かっていても、やっぱり心を打たれてしまうのだ。
『バニラ・スカイ』を連想させる作りだが、そこまで突き抜けていないし、どこか『インセプション』のような感じもするが、あそこまでエンタテイメントに徹し切れていない、何とも中途半端な印象だ。
表題の『リアル』に拘った演出はあまり感じられず、浩市が描くマンガの世界を、2時間ほど歩かされた、そんな気分の映画でした。