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『ブラニガン』アクション・スターの終活 

こんばんは、ロッカリアです。

ブログのヘッダー画像を夏ヴァージョンにしてみました。
ちょっとでも涼しくなりますように!(笑)

1.『マンハッタン無宿』のロンドン版
2.舞台を大西部から大都会に
3.英米二大スターの共演が楽しい



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公開当時、ドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『マンハッタン無宿』の焼き直しと揶揄されました。
『マンハッタン無宿』は、アリゾナの保安官が、ニューヨークに容疑者を引き取りに行くという設定で、田舎者が大都会でカルチャー・ショックを体験しながら、再び逃走した容疑者を追うと言う物語でした。
確かにストーリーはこれとほぼ一緒ですが、ブラニガンは自らをヤンキーと宣言し、自己流で犯人を捕まえようとする姿は、まさにジョン・ウェインの威風堂々の映画なのだ。

ロンドンで逮捕されたラーキンだったが、保釈中に何者かに誘拐され、ラーキンの弁護士、フィールズに身代金の要求が。
それを知ったブラニガンは、女刑事ジェニファーと共にラーキンの行方を追うが、ラーキンの雇った殺し屋のゴードンに命を狙われ、幾度となく危険な目に合う。

どこか怪しい弁護士フィールズ、派手なスポーツカーに乗る殺し屋ゴードン、ロンドン気質の警視長スワン(リチャード・アッテンボロー)、フィアンセがいながらも、ブラにガンに惹かれるジェニファー、そして異国の地で犯人を追うアメリカの警部補ブラニガンと、舞台装置は揃っているのに、所どころ間抜けなシーンが結構あって物語に集中できない。
殺し屋ゴードンも、『ピンクパンサー』シリーズに登場する、クルーゾー警部を襲うケイトー(加藤)に見えてくる。
カーチェイスや銃撃戦も、アメリカならもっと派手に演出できたはずで、消化不足気味だ。
ラーキンの身代金を渡し、犯人を追跡してロンドンの街中を駆け巡るシーンがハイライトだろうが、ハラハラ・ドキドキといったサスペンス色もない。

だが、ジョン・ウェインとリチャード・アッテンボローの演技合戦は楽しめた。
いい加減なアメリカ・ヤンキー気質と、貴族出身のロンドン気質の二人は、身長差も手伝って凸凹コンビのように見えて楽しい。
リチャード・アッテンボローはこれ以降、『遠すぎた橋』『ガンジー』『コーラスライン』を監督として世に送り出し成功するが、ジョン・ウェインは、最後の作品『ラスト・シューティスト』の役柄と重なるように、ガンで72歳の生涯を閉じる。
彼の作品を見るたびに、僕は心から敬意を表したくなる。
何故なら、彼なくして、イーストウッドやマックィーンといった、アメリカを背負ったアクション・スターは生まれなかっただろうから。

生涯アクション・スターを誇りにしていたジョン・ウェイン。
彼こそ「アメリカの良心そのもの」だと思っている。




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Category: レビューがはじまる

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