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シネマの自由時間

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原田マハ「キネマの神様」、知らなかった… 

こんにちは、ロッカリアです。

2011年に出版されていたことすら知らず、文春文庫のof the year2016-2017と言うフェアを本屋さんでやっていて、初めてこの本の存在を知り買いました。
原田氏の本は、「楽園のカンヴァス」しか読んだことがありませんでした。
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アラフォーの歩(あゆみ)が、シネコン建設を計画するゼネコンを退社する日、ギャンブル狂の父親が心筋梗塞で入院する。
母と父(79歳)が住むマンションの管理室の仕事を受け継いで、次に就職をどうしようか、大げさに言えば、これから先の人生をどうしようか歩は悩んでしまう。
そんな時、映画狂でもある父の管理日誌を目にすると、そこには父が見た映画の感想が何冊にも渡って書かれってあった。
それに刺激された歩は、『ニュー・シネマ・パラダイス』を見た感想を何気に書く。
無事退院した父が、内緒でその内容を映画雑誌の老舗に投稿したことから、歩はその会社に就職することになるが……。

『ニュー・シネマ・パラダイス』をモチーフに物語は進められるが、この小説の中には、映画ファンにしか分からないことや、そして映画ブロガーなら誰もがドキッとするようなことが書かれています。

「テアトル銀幕」と言う名画座が後半クローズアップされるんですが、この名画座と言う映画館の名称は、ある年代には郷愁を持って心に響く。
私もお金がない学生時代は、2本3本立てのちょっと古い映画から、何年も前の映画までが¥500ぐらいで見ていました。
ロードショー館よりも頻繁に通ったことは言うに及びません。
月に劇場で20本ぐらい見ていたので、本当にお世話になりました。次回上映のチラシがあったり、上映中のパンフレットも普通にありました。
だいたい2週間ぐらい(短い館は1週間)で作品が変わります。
映画はTVでオンエアを見るか、劇場で見る、と言う手段しかない時代のことです。

ビデオ、レーザーディスク、DVD(BD)にオンデマンドと変化してきた鑑賞方法に対応するために、自宅にはプロジェクターとスクリーンを貼って、規模も小さく貧乏シアター作ったのも、名画座を雰囲気をいつも味わいたと言う、部屋の電気を消して、暗闇に浮かぶ映像に浸りたいと言う思いからです。
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ところが、60インチの液晶TVを買うと、スクリーンを降ろすのが面倒臭くなって来て、いつの間にか明るい所でTVオンリーになっていました。
名画座の再現をと意気込んで作ったマイ・シアターの意味を、再認識しました。

話を元に戻しましょう。
この本には、そう言った、映画に対する熱い思いを蘇らせてくれる、そんな力があります。
ひょんなことから、歩の父親も、ゴウというハンドルネームでブログを始めますが、その内容がとても素敵なんです。
ただ感想を書くのではなく、その作品の本質を、サニーサイド(明るい面)からポジティブに語るのが、とても好感が持てます。
しかし、英語版を作ってから、そのブログにローズ・バッドと言う、強烈なコメントターが現れ、映画のダークサイドの部分を切り取って、ゴウに迫って来ます。
後半は、この二人を中心に物語が転がって行きます。

正直、5回ぐらい泣きながら読みました。
人それぞれに個性があって、色んな映画の見方があり、だからこそ色々なブログがあるんだと思います。
知らないと、それで済むこともあります。
雑誌に初掲載されたのが2007年なので、10年以上経ってから、こんなことが言えた義理ではありませんが、知った以上、この本は、たくさんの映画好きに読んでもらいたいと思います。

『ニュー・シネマ・パラダイス』は、公開当時に一度と、完全版のソフトになった時の2回しか見ていません。
最初に見たときは、あのラストに号泣も号泣、映画を見て、あれほど泣いたことは初めてでした。
映画って、何度見ても面白い、感動する映画がたくさんあります。
でも、この映画に関して、3回目を見ることは、この先多分ないと思っています。
それほど、あのラストは、僕の映画人生においてインパクトがあり、大切にしたい宝物のなのです。
もし、未見のの人がいるとしたら、一度見てください。
イタリア映画はちょっと……と言う人でも、何がこの作品を名画たらしめているのか、自分の目で確かめて欲しいと思います。
そして、この「キネマの神様」と言う本も、映画ファンにはオススメです。
 
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Category: 迷宮図書室

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