『軍用列車』 ブロンソン、プチ祭り第1弾!
アガサ・クリスティのようにはいかない……。
こんばんは、ロッカリアです。
G.W特集と言うにはあまりにもプチな企画を始めてしまいました。何故かブロンソンの映画が見たくなり、それも、あんまり人気の無い映画と言うか、マイナーな作品と言うか、DVD未開封を何とか処理しなくては……などと言う不埒な動機で見は始めたんですが、そこは昔の大スター、ブロンソンの事、存在感だけで最後まで見てしまう力技に屈して楽しんでしまいました……。
運命共同体の中に裏切り者がいる!と言うパターンは『荒鷲の要塞』に似ている。それもそのはず、原作は冒険小説家のアリステア・マクリーンだからだ。
しかも、今回は海や難攻不落の要塞などと言う第二次世界大戦の時代を遡り、西部時代が舞台と言う、異作中の異作なのだ。そして、蒸気機関車が引っ張る軍用の列車内で次々と事件が起きると言う、クリスティばりのミステリアスな雰囲気も満載されている……。
伝染病にかかった砦の仲間の救出に向かう軍用列車に、知事や保安官や牧師、そしてお尋ね者のブロンソンが加わって、人が消えたり殺されたり、兵隊たちの車両が崖から落ちたりと、アクシデントの連続なのだ……。(←妙に歯切れが悪いなぁ…)

ところが、これだけ様々な事が次から次へと起こるのだが、全く盛り上がらないのだ。
アクション・シーンとしては、列車の屋根(しかも雪が積もっている!)での戦いや、列車の爆破、インディアンとの闘いなど、結構手に汗握るシーンは有るんだが、何だろう、とてつもなく平凡な仕上がりなのだ。
おそらくは監督の力不足が原因だ。
アクション・シーンも見せ方が悪いし、ミステリー的な要素がありながらも、消化し切れていない感じがする。
エドー・ローターやベン・ジョンソン、リチャード・クレンナに、先ごろ亡くなったチャールズ・ダーニングと言うくせ者を揃えているのに、横一線の扱いでは個性も生かし切れていない。
おまけに、ジル・アイアランドと夫婦共演とくれば、学芸会の雰囲気がしてならない。
我が心の師匠、双葉十三郎先生は、「西洋シネマ大系、ぼくの採点表Ⅲ1970時代」の中で、この作品をこう締めている。
「ウェスタン鈍行殺人事件でした」と。

僕はこの映画を、『クレオパトラ:カジノ征服』(黒人女性がボンド並みの活躍をする映画、と言っても内容はイマイチ…)と『大地震』の3本立てを名画座で見ている。1976年の事だ。
実は、『大地震』の迫力(と言ってもセンサラウンド方式じゃないよ、名画座だもん)に圧倒されて、この『軍用列車』は印象が薄かった。
今回見直して、そりゃそうだな、と変に納得してしまったよ。
ちなみに、当時の入場料は¥500だったけど、パンフレットが1冊¥2~300だったので、下手すると入場料よりも高く付く事があったんだよね。
パンフレットで思い出したんだけど、確か値段が跳ね上がったのは、あの『スター・ウォーズ』の分厚いパンフからじゃなかったっけ?
ひょっとしたら、アニメの『さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち』だったかも知れないなぁ……。
この2作品、確か同年の公開だったから、忘れちゃったよ……(ボケだろ、単に…)。
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