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【第三の男】 シネマ・サーフィン~12~ 

今日は【世紀の傑作映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
個人的な事で申し訳ありませんが、今日で51歳になりました……。(←それが何だ!)
こほん。
まず最初に、これはミステリーなのか?と言う疑問に、じゃあサスペンス?フィルム・ノアール?サスペンス?ラブ・ストーリー?と自問自答してみた。
これらの要素を全て含んだミステリーだと言えるんじゃないだろうか。

第二次世界大戦後に、旧友のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)から、仕事を紹介するからウィーンに来いと言われるホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)。
だが、到着してすぐにハリーの家を訪ねると、彼は交通事故で死んだと知らされ、その足で葬儀場へ向かう。
ハリーはすでに土の中へ埋められるところで、そこにいたハリーの彼女、アンナ(アリダ・ヴァリ)はまだ死んだ事が信じられない様子で、すぐに立ち去る。
そこで知り合ったキャロウェイ少佐から、ハリーは闇取引の悪人だと聞かされ、作家の性分なのか、ハリーの事を調査し始めるが……。

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事故当時、倒れたハリーを介護した人間が、当初二人だと言われていたのだが、ハリーの家の管理人(門衛)の証言から、そこに第三の男の存在が判明する。
だが、この証言をした管理人が何者かに殺されると、その容疑がホリーにかけられる。
逃げるように、アンナの家に転がり込んだホリーだったが、アンナからはハリーと呼ばれ気分が悪い。
おまけに、アンナの買っているネコは、ハリーにしかなつかないと言う。
そのネコを横目で見ていたが、ネコが部屋を出て行くと、暗闇の中にじっとしている男の足元で、楽しそうにじゃれていた……。

ヒッチコックの影響を多分に受け、それを手本とした映像設計だが、ヒッチ先生の徹底した作り込みの美学に対して、キャロル・リード監督は、都会的で洗練された映像で魅了する。
特に、音楽に関して言えば、ヒッチ先生は人間の心理描写、場面効果を狙ったのに対して、リード監督は、主人公たちの感情を表す事に徹底した。
この効果は絶大で、今やビールのCMでお馴染みのあのテーマ、今や絶滅危惧種のチターという多弦楽器が奏でるメロディーは統一感がありながら、場面場面で違う印象、最初と最後ではその響きの意味が全く違うように感じると言う、全く見事としか言いようがない。

戦後直後のウィーンの街並み、遊園地の観覧車、ホテルや古い建物の空気感、それらが全てミステリーの舞台装置であり、その集大成が迷路のように張り巡らされた下水道でのチェイス。
ここ一番で見せる光と影の魔法のような演出。
作家のグレアム・グリーンが書き下ろした原作と脚本。
これらが見事に融合して、あのラスト・シーンへと繋がって行くこの作品は、映画史上に燦然と輝く傑作だと明言した。
この映画を見ずに、映画を語る人は、まだ本当に凄い映画と言うものを知らないと思った方がいい。
撮影と演出だけ、他の小細工は一切存在しないこの名画を、特に若い映画好きな人に贈りたい。

これが、映画。

Category: 特集

Thread: 心に残る映画

Janre: 映画

Tag: おススメ  名作  レトロ  イラスト 
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