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『恐怖に襲われた街』 銭湯のポスター、そしてコーヒー牛乳! 

今日は【LDで見た映画】の時間です。

こんばんは、ロッカリアです。
ジャン・ポール・ベルモンド警部が追いかける犯人は二人。
一人は銀行強盗犯、もう一人はサイコ・キラー。
ストーリーの中心軸は、ストーカーを繰り返しては殺して行くと言う、サイコ・キラーの連続殺人を阻止して追い詰めて行く、と言うもの。
だが、このスリリングな内容にも、犯人の設定が曖昧だったり、状況設定もどこか抜けていたりと、70年代の映画によく見られた、アバウトな作りと言えるだろう……。
だけど、この映画、恐るべきポテンシャルを秘めた作品だったのだ!

img038.jpg

まだ、お風呂と言えば、近くの銭湯へ通っていた70年代。
この映画を、今でも記憶に留めておく強烈な印象がその銭湯にはあった。
近くの劇場(名画座)で上映されるポスターが、いつも壁に貼られたあり、この映画のポスターが特に印象に残っている。

恐怖に襲われた街
(これ、↑ 実はチラシですが、ポスターとデザインは一緒)

このポスターに、何かイマジネーションを掻き立てられ、内容が伝わって来るように感じたのだ。とても気になったが、実際には劇場に足を運ぶ事はなかった。
そして、月日は流れ、80年代の後半もしくは90年代の前半、この映画のLDを手に入れた。
ところが、この時、再生して5分ぐらいで見るのを止めてしまったのだ。
と言うのも、この映画は高層マンションの一室から始まる。眼下には夜景が広がっていて、一人の女性が寝ている。
そこにサイコ・キラーから電話が掛かって来て……。
こう書くとスリラー映画によくあるオープニングなんだけど、ここまで見ると、とても暗~い気分になるのだ……。
その原因はただ一つ。
エンニオ・モリコーネの音楽だ。
暗過ぎ、悲し過ぎ、寂し過ぎ、つまりハマり過ぎなのだ。
そして、さらに20年が過ぎ、LDプレーヤーのご機嫌を伺いながら、未だDVDになっていないこの映画をDVDに移さなきゃ、と思って再生に踏み切ったのだ。(大袈裟な…)
ストーリーは先に書いたように、今ではよくあるサイコもの、何と言う事は無い。
だが、この映画の秘められたポテンシャルとは、数々のアクション・シーンにあるのだ。
ベルモンド自身がほぼノー・スタントでこなしているのが売りで、中でも犯人を追って、パリの街中の屋根で繰り広げられるアクションは鳥肌もの、凄過ぎる!(高所恐怖症だし…)
落ちたら死ぬ!
こんな当たり前のシーンが、次から次に展開される。
下にクッションでも置いておけば大丈夫さ、と言うお気楽な考えは通用しない。
何故なら、高過ぎるし、斜めの屋根は滑り過ぎて、パリと言えども街の中は道が狭い。もし滑って落ちたら、隣のマンションや劇場の壁に絶対ブチ当たる。(この辺は見ないと分からん!)
顔立ちはどちらかと言うとファニー・フェイスなのに、命綱も付けていない。(CGで消す事なんてでいない時代だ)
見ている方が怖くなる!
まだある。
同じ犯人が、パリの地下鉄(元祖メトロ!)に逃げ込んで電車での逃走を試みる。
ベルモンドは、なんと列車の上に飛び乗って犯人を追いかける。
なぁんだ、よくあるよそんなシーン。『マネー・トレイン』とか『カナディアン・エクスプレス』とか……。
ところがだ諸君!
このメトロの天井の低さときたら尋常ではない!
あたるぞっ!と何度言ったか。
これもベルモンド自身がやっているのだ。
この辺りのアクション・シーンを見て、口から出る言葉はただ一つ。
「ありない!」だ。(関西では、ありえへん!)
CGの無いこの時代が生み出した、歴史に残るアクションと言っても過言じゃないぞ。
こんな映画がDVD化されていないなんて、どーかしてるぜ!

話は変わるけど、どーかしていると言えば、僕が通っていたその銭湯は、今から20年以上も前に無くなったんだが、今でも後悔している事がある。
その銭湯の番台にいつも居るおばちゃんと仲が良かった。
僕はたいてい、夜の9時から始まる洋画劇場を見終わってから銭湯に行く。
だけど、その銭湯は夜の11時には電気が消え閉まる。
でも、中学の頃からずーっとこの時間帯に来る僕を見かねてか、15分ぐらい閉まるのが長くなってしまった。
勿論客は僕一人、と言う時がほとんどだった。
そして、お風呂から上がると、いつも壁にかかっていたポスターを見ながら服を着ていたのだ。
なのにどうしてあの頃、役目を終わったポスターを「欲しいっ!、頂戴!」と言えなかったんだろう……。
言っていれば、絶対くれたはずなのに……。
きっと、今みたいに図々しく無かったんだろうなぁ……、残念……。

でも、そのポスター以上に印象に残っている事がる。
それは、おばちゃんからたまに貰って飲んだコーヒー牛乳の美味しさだ。あの頃は貧乏で、洗髪料の10円までオマケしてもらっていたから、牛乳を風呂上りに飲む、なんてのは贅沢な事だったんだ。
だから、その美味しさったら、格別だったんだよ。
ありがとう、おばちゃん。
古き良き、昭和の思い出だなぁ……。

最後に、その凄さがわかる映像を。
音楽と一緒に確かめてみるといいよ、では。



Category: DVD化作戦

Thread: フランス映画

Janre: 映画

Tag: アクション  70’S 
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