『小さな恋のメロディ』 愛すべきシネマだ…
こんばんは、ロッカリアです。
昔の映画を見ると、その頃の懐かしい思い出が蘇える事がある。
先日の『恐怖に襲われた街』の時に書いた、銭湯のエピソードなどがそうだ。
この映画は、それ以上に、思い出が蘇えると言うよりハ、少し大袈裟に言うなら、時にマーク・レスターのように、或いはジャック・ワイルドのように、僕は子供の姿を借りてスクリーンの中に入り込む。
勿論錯覚なのだが、それほど、この映画の中の少年たちと、僕が過ごした時代の出来事がシンクロしているのだ。
工場の廃墟や空き地でよく遊んだし、爆竹や花火の火薬だけを取り出して爆弾まがいのモノも作った。(←今考えると恐ろしい…)
小学生にもかかわらずタバコも吸ったし、授業をサボって遊びにも出かけた。
ただ、決定的にイギリスの少年と違うところは、女の子には奥手だった。
混ざって遊ぶ事はあっても、二人っきりで、しかも手をつなぐなんて事は、フォークダンスの時以外には考えられない事だった……。

僕が初めてこの映画を見たのはTV放映。劇場公開から数年経ってからで、おそらく中学生の時だったと思う。
ビージーズの「メロディ・フェア」と言う主題歌にハマり、イギリスの小学生の生活ぶりに憧れ、やんちゃなジャック・ワイルドを強く意識したものだ。
ダニエルを演じたマーク・レスターに女の子たちも夢中になっていたが、それよりもメロディことトレイシー・ハイドの人気は、男女を問わず凄いものがあった。
「ロードショー」や「スクリーン」と言った映画誌も、ポスト・カードやミニ・ポスターを付録に付け、競ってトレイシーの特集をしていた。
だが、彼女の出演作はこの一作で、新たな魅力の発見もなく、彼女が成長して行く中で、メロディとのギャップは大きくなる。そして、僕が高校生ぐらいになると、彼女の姿を見かける事は無くなっていった……。
しかし、映画と言うものは本当に凄い発明で、2時間と言うその中に、その時の文化や生活、若さや老いと言うものを閉じ込めるだけでなく、見た人の思い出までも、タイム・マシンのように積み込んで、いつでも蘇えらせてくれるのだ。
映画は見る度に、新しい発見をもたらしてくれる、と僕は常々言っているが、今回も例外ではない。
今回は二つ。
ひとつは、メロディが好きだけど、中々気持ちを伝えられずにモジモジ君状態のダニエル、ツンデレっぽいメロディから手を差し伸べられ付き合い始めると、急に大人っぽくなりメロディをリードして行く。
逆にメロディは、どんどん女らしくなっていくのだ。演出なのか、自然の流れなのか、とても面白い。
もう一つ。
今や名曲になったビージーズの歌う主題歌「メロディ・フェア」
僕も大好きだが、ちょっと待てよ、今じっくり聞くと、だんだんビートルズの曲に聞こえてくる!
リズム・メロディ・ハーモニー、それに歌声、サウンド全てにおいて、ビートルズの演奏だと言われても違和感が無い!(思い込みの激しい性格である…)
ためしに聴いてみてね。
この映画も70年代の作品。ああ、愛しきかな70’Sシネマ、なのである。
今宵、いい夢を……。
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コメント
記憶・・・
初めて観たのはいつだったのかわからないのですが、ものすごくハッキリと覚えているのが、高校1年の時どこかの女子高の文化祭に行ったら視聴覚室でフィルム上映されて、それを観たのが一番印象に残っています
あと一時期、成人式の頃に必ず劇場でリバイバルしていたような覚えがあるんですが定かでは無く・・・
ただ新聞の広告とかに『メロディに会わずにに大人になるの?』ってコピーがついてて記憶に強烈に焼き付いているのです
映画では体力測定と言うか・・・スポーツ競技会?を観て「日本の運動会とは違うなぁ~」みたいな、非常に異文化を感じたりしてました…
爆竹ではいろんなものを破壊しましたね!
クラッカーと呼んでいた細い紙巻きたばこのような爆発物がありましたが、あれを持ったままで爆発させられるのが勇気の証だったりしました
男は爆破が大好きですね!
今は空き地も無くなってしまったから子供たちも無茶というか、なんか冒険が出来なくなっているような…
ちょっと危ない感じの遊び場ってのが楽しいのに!
“ロッカリアさん”の言うとおり、この映画って色んなことを思い出させますね~
|―|/‐\|\/| #- | URL | 2011/12/01 00:04 [edit]
Re: HAMさんへ。
空爆と言って、爆竹に火を点けて空中に投げ爆破させるのが流行った。
もちろん、あの短い導火線は燃えるのが異常に早く、手から離れる前によく爆発した。
特に、耳の横で爆発すると、キーンと言う音で何も聞こえなくなる…。手は内出血。
でも、それが勇気の印だったんだよ。
クラッカーは、カエルのお尻から突っ込んで火を点けたなぁ…(←何やとんじゃ…)
『メロディに会わずにに大人になるの?』
そんな新聞広告があったんだ。
母子家庭だった我が家には、新聞も取っていなかったんだよ。
中学の頃は、同級生の女の子が隣に住んでいたから、夕方になると、そっと朝刊のTV欄だけ抜き取って入れてくれていた。
あと、映画の話題はクラスで「今日何時から何チャンネルで何々があるよ」と言う情報を仕入れていた。
貧乏だったなぁ…。
それを思い出すと、今の生活の感謝しなくちゃいけないなぁ。
高校の時、僕は映画部だったけど、文化祭で上映したのは『父ちゃんのポーが聞こえる』だった…(ーー;)
映画ひとつで、色んな事を思い出せる。音楽もそうだけど、やっぱりあの頃は良い時代だったんだよな、貧しくても…。
HAMちゃんのコメントを読んでいて、今も大切にして行かなくちゃ、と改めて思い直したよ。
感謝!
ロッカリア #- | URL | 2011/12/01 23:22 [edit]
時間がないからコメントできなかったんですが。。。ワタシも小学生の時に水曜ロードショーでこの映画を初めて見て好きになりました
映し出される風景が曲ともあいまって、淡い春の絵のように綺麗だったキオクがあります。あの頃の映画って(歌もそうですが)今よりも詩的で絵画的でしたよネ。
あとこういう子供の恋を描いてる作品として大好きだったのが「リトルロマンス」という映画。 幼い頃のダイアン・レインが主役の女の子役で出ていて、この映画を見て、子供心にベネチアに行ってみたいと思いました
来年はワタシも想い出に残ろ昔の映画の事をもう少し書いていこ♪
また見に来てくださいネ
マナサビイ #- | URL | 2011/12/28 01:24 [edit]
Re: マナサビイ さんへ。
どもども。
あの頃に青春時代を過ごしたことが、今考えると、とても大切な日々だったんですよね。
だから、今の若い人も、今を大切に過ごして欲しいものです。
どんなにつまらない今であっても、決して無駄になる事なんてないんだから。
『リトル・ロマンス』も好きな作品です。
勿論この映画も、TVの洋画劇場で観ました。
最後に見たのが結構前になっちゃうので、そろそろ再見しなければ…。
こうやって、マナサビイさんや、近世代の方からコメントを頂くと、私も刺激されて、そうだ、あれも見なくちゃ、こんな事もしなくては…と、楽しい考えが湧いてくるので、とても感謝してます!
マナサビイさんの記事はいつもボリュームがあって、私も懐かしさ全開で読ませてもらっています。
映画の記事も増やされるとか。
楽しみです!
年末のお忙しい時期にコメントを頂いて、感謝!
来年も、よろしくお願いします。(来年は、私ももう少し積極的にコメント入れさせてもらいます!)
ロッカリア #- | URL | 2011/12/29 10:21 [edit]
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